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物流 (輸配送)

ハブアンドスポークとは?物流における意味やメリット、具体例を解説

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ハブアンドスポークとは?物流におけるメリット

物流におけるハブアンドスポークとは、中心拠点(ハブ)から各拠点(スポーク)へ荷物を輸送する方式です。物流ネットワークのさらなる効率化を行いたい場合に、ハブアンドスポークが有効に働く可能性があります。

本記事では、物流におけるハブアンドスポークの意味とメリット、具体例を解説します。

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ハブアンドスポークとは

物流におけるハブアンドスポークとは、中心拠点であるハブ(hub)から各地の分散拠点であるスポーク(spoke)へ荷物を輸送する方法のことです。

ハブアンドスポーク(イメージ)

一度荷物をハブに全て集約し、スポークごとに荷物を輸送することで、スポーク間の輸送業務を大幅に削減できます。

拠点間の輸送ネットワークが複雑化している場合などに効果的な方法です。

ハブアンドスポークの具体例

ハブアンドスポークがよく使われる具体例に、以下の2つがあります。

ハブアンドスポークの具体例(イメージ)
  • 空港便
  • 幹線輸送

空港便

空港便では、中継拠点となるハブ空港で荷物の載せ換えや人の乗り換えを行い、各地のスポーク空港へ輸送する形でハブアンドスポークが活用されています。

例えば、北海道から沖縄まで荷物を運ぶ際、一度羽田空港に荷物や人を集めます。これは北海道から沖縄までの直通便は本数が少ないため、羽田空港から輸送したほうが配送リードタイムを短縮できるためです。

幹線輸送

幹線輸送は、荷物を拠点Aに一度集約し、大型トラックや貨物列車といった大量輸送機関を使って他の拠点へ運ぶ輸送方式です。この場合、拠点Aが中継機能を持つハブにあたります。

ハブに荷物を集約することで、トラックドライバーの長距離輸送が減少し、その分拘束時間の削減や人手不足の解消にも繋がります。

ハブアンドスポークのメリット

ハブアンドスポークのメリットは、以下の3つです。

ハブアンドスポーク(イメージ)
  • 拠点間配送の削減
  • ドライバー負担の軽減
  • 配送車両の積載率向上

拠点間配送の削減

ハブアンドスポークを採用することで、スポーク間輸送が不要になるため、その分の路線数を削減することができます。これにより物流ネットワークが効率化され、輸送回数・輸送距離の削減が可能になります。

ドライバー負担の軽減

従来の輸送方式では、スポーク間の輸送が複雑化すると輸送回数と距離が増えるなど、ドライバー負担を増大させていました。対してハブアンドスポークでは、ハブとスポーク間の輸送に限定されるため、輸送回数と距離を抑えることができます。

これにより、拠点数が多い物流ネットワークでも、ドライバーの運転距離や時間がトータル的に削減され、ドライバーの負担軽減、さらには人件費・輸送コストの削減にも繋がります。

このため、ハブアンドスポークは物流2024年問題への対応手段としても有効といえます。

配送車両の積載率向上

ハブに荷物を集約すると、スポークごとに荷物をまとめて輸送できるため、配送車両1台あたりの積載率が向上します。

経済産業省・国土交通省・農林水産省が2022年に共同で発表した「我が国の物流を取り巻く現状と取組状況」によると、2010年以降の車両積載率は40%以下となっており、低い水準です。加えて2015年から2030年にかけて、トラックドライバーが3割減少する予測です。

この状態で物流ネットワークが複雑化すると、トラック不足や配送リードタイムの遅延が発生するため、ハブアンドスポークによる車両積載率向上は、こうした問題の解消にも寄与します。

ハブアンドスポークのデメリット

一方、ハブアンドスポークのデメリットは、以下の3つです。

ハブアンドスポーク(イメージ)
  • 非常時に機能が停止する恐れがある
  • 配送リードタイムが長くなる場合がある
  • 初期費用がかかる

非常時に機能が停止する恐れがある

ハブアンドスポークは全ての荷物を一度ハブに集約するため、ハブに問題が発生すると全ての物流が停止する恐れがあります。

例えば地震が発生しハブ周辺が被災した場合、ハブからスポークへの物流が停止し、スポークでの業務にも影響が出ます。こうしたリスクに留意し、非常時に使えるルート確保やサブ拠点の用意といった備えが必要です。

配送リードタイムが長くなる場合がある

ハブからスポークまでの距離によっては、配送リードタイムが長くなる場合があるため、トラックドライバーの拘束時間が増えるといった弊害が生じます。

ハブアンドスポーク導入時にはハブと各スポークの距離や、顧客の分布状況を踏まえながら、綿密に輸送網をシミュレーションすることが大切です。

初期費用がかかる

ハブアンドスポーク導入時は、ハブの整備や新たなスポークの設置が必要になるため、高額な初期費用がかかります。既存の拠点数にもよりますが、物流ネットワークが大きいほどコストの増大が予測されます。

ハブアンドスポークの導入前にコストシミュレーションを行い、効率化を優先するか、コストを抑えるかを総合的に判断し、メリットの大きい手段を選びましょう。

ハブアンドスポーク導入時のポイント

ハブアンドスポーク導入時のポイントは、以下の2つです。

ハブアンドスポーク導入(イメージ)
  • ハブの倉庫内作業効率化
  • 拠点間の距離やコストのシミュレーション

ハブの倉庫内作業効率化

ハブアンドスポークを導入すると、物流ネットワークの効率化が期待できます。一方で、ハブで扱う荷量の増加に伴う(ハブ倉庫内での)在庫管理や入出庫作業の煩雑化は、せっかくの効率化を妨げてしまう場合もあります。

国土交通省が2015年に実施した「メコン地域における陸上・ハブ・アンド・スポーク物流システム導入に向けた実証事業」の結果からも、以下の2点がわかっています。

  • ハブアンドスポークは、配送リードタイムの大幅な削減を実現する
  • 倉庫内作業の経験不足によって、想定よりも時間がかかるケースがある

従って、ハブアンドスポークの効果を最大限に引き出すためには、必要に応じて人員を増やすことはもちろんのこと、物流倉庫の自動化やマテハン機器の導入を進めるなど、倉庫内作業の効率化を検討しましょう。

拠点間の距離やコストのシミュレーション

前述のとおり、ハブとスポークの距離が適切でないと、かえってトラックドライバーの負担増加や、リードタイム延長などの弊害が生じます。顧客の分布によって必要なスポークの位置や数、それによるコストも変わってくるため、事前の綿密なシミュレーションが必要です。

ハブアンドスポーク導入に向けたシミュレーションを自社で行うことが難しい場合は、専門業者への依頼や相談も視野に入れましょう。

まとめ:ハブアンドスポークで物流ネットワークを最適化しよう

ハブアンドスポークとは、物流拠点をハブ(中心拠点)とスポーク(分散拠点)に分け、ハブに荷物を集約してスポークへ輸送する方式です。

ハブアンドスポークを導入すると、スポーク間輸送が削減されることでトラックドライバーの輸送距離と運転時間の削減、積載率向上が可能です。

ただし、最適な物流ネットワーク構築と最適なコスト算出のためには綿密なシミュレーションも欠かせないため、導入は慎重に検討しましょう。

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