FBAとは「フルフィルメント by Amazon」の略であり、商品の受注から発送までの一連のフルフィルメント業務をAmazonが代行する出品者向けサービスのことです。これにより出品者は配送やカスタマーサポートなどの負担を軽減できるといったメリットがあります。
本記事では、FBA(フルフィルメント by Amazon)の概要や始め方、メリット・デメリット、手数料を紹介しますので、ぜひご参考ください。
※2023年9月時点の情報です
目次
物流だけでなく、受注処理や
顧客対応まで委託したい方へ
フルフィルメント代行サービス資料はこちら
1FBA(フルフィルメント by Amazon)とは
FBAは「fulfillment(フルフィルメント) by Amazon」の略であり、Amazonが提供するフルフィルメントサービスです。フルフィルメントサービスとは、ECで商品が注文されてから消費者に商品が届くまでの必要な業務全般を指します。
通販に必要な各種業務をAmazonに委託できるため、出品者は自社の商品開発や集客などのコア業務に集中できます。さらに、クレーム処理をはじめとした顧客対応もアウトソーシング可能のため、精神的負担の軽減にも効果的です。
代行可能な業務内容は、以下の通りです。
- 注文処理
- 入荷・検品
- 商品保管
- 梱包
- 発送
- カスタマーサービス
- 返品対応
FBAの対象となる商品
FBAでの取扱可能商品には制限があります。Amazonで出品されている商品でも、以下のような商品はFBAに納品することができません。
【FBA対象外の商品例】
- 常温管理できないもの
- 動植物や青果、野菜
- 爆発物や花火などの危険物
- 医薬品や高度医療機器、コンタクトレンズ
- 金券類(商品券、切手など)
制約付き 商品例 |
概要 | 具体例 |
---|---|---|
危険物 | 国際航空運送協会(IATA)によって 危険物として輸送が規制されているもの | ・引火性液体(オイルライターなど) ・火薬類(花火、発煙筒など) ・毒物類(殺虫剤、農薬など) |
要期限管理 商品 | 賞味・消費期限が商品に表示されているもの | ・食品(ペットフード含む) ・飲料 ・(使用期限のある)化粧品 |
2FBAのメリット
FBAを導入するメリットは、以下の3つです。
- Amazonプライム対象商品になる
- 配送スピードが上がる
- 業務負担を軽減できる
Amazonプライム対象商品になる
FBAでの出品は通常の出品と異なり、Amazonプライム対象商品として販売されます。
これにより、配送料無料・返品可能などプライム会員限定のサービスを提供できるため、消費者に安心感を与えることが可能です。
また、Amazonプライム対象商品になると、通常の商品よりも優先的に上位表示されるほか、商品詳細に「プライムマーク」が付くため、(特にプライム会員からの)購買率が向上するなど、売上増加に繋がる可能性が高まります。
配送スピードが上がる
FBAに登録した商品はAmazonプライム対象商品になるため、お急ぎ便・お急ぎ日時指定便が利用できます。これにより「商品を早く入手したい」といった消費者ニーズを満たし、商品の評価も上がりやすくなります。
また、FBAでは商品をAmazon倉庫に送るだけで、Amazonが梱包や発送などの各種業務を代行するため、迅速かつ正確な配送が可能です。
業務負担を軽減できる
倉庫での商品保管をはじめ、手間のかかる梱包や配送業務、問い合わせやクレーム対応などのカスタマーサービスをAmazonに委託することで、空いた時間でコア業務に集中できるなど業務負担を軽減できます。
また、自社で倉庫を維持する必要がなくなるため、固定費用の削減にも効果的です。
物流だけでなく、受注処理や
顧客対応まで委託したい方へ
フルフィルメント代行サービス資料はこちら
3FBAのデメリット
FBAのデメリットは、以下の3つです。
- 手数料がかかる
- 商品の状態が確認できない
- 差別化が難しい
手数料がかかる
FBAでは手数料がかかります。手数料には配送代行手数料、在庫保管手数料、月額利用手数料などがあり、扱う商品のカテゴリやサイズ・重量によって変動します。
状況によっては、売上より手数料の方が高くなる可能性もあるため、FBA導入前には費用対効果の検証が必要です。手数料の計算には、Amazonが出品者向けに提供している手数料計算ツール「fba料金シミュレーター」を使いましょう。
商品の状態が確認できない
FBAは商品をAmazon倉庫に預けて管理を委託するため、自分で品質管理・在庫管理ができず、商品に傷・汚れがある場合や在庫不足になった場合の対応遅延が起きやすくなります。
商品状態を確認したい場合は、Amazon倉庫から一度商品を戻し、商品状態の確認後、Amazon倉庫に再納品する必要があります。
商品の品質が悪かったり在庫不足で発送に時間がかかると、出品者の評価や売上に影響する可能性が高まるため注意しましょう。
差別化が難しい
FBAに登録した商品は同時にAmazonブランドになるため、他ショップとの差別化が難しくなります。消費者に購入されやすくなる一方で、ショップ名が目立たなくなったり同じ商品との価格競争に巻き込まれるためです。
さらにオリジナル資材や流通加工サービスに対応できないことも差別化が難しい要因の一つとされています。
他ショップと差別化し、より購買率を上げるには商品の写真や説明文、バリエーションの追加など、価格以外で他の出品者と差別化できるメリットを探しましょう。
4FBAの始め方
FBAを導入して商品を販売するまでの流れは、以下の3ステップです。
- Amazon出品用アカウントの作成
- FBAのセットアップ
- 商品の出品と納品
1. Amazon出品用アカウントの作成
Amazonで商品を販売するには、購入者アカウントとは別の出品者用アカウント(セラーアカウント)が必要です。このアカウント開設手続きの際は、以下の情報提示を求められます。
- 行政機関発行の顔写真付きの身分証明書(例:パスポートや運転免許証等)
- 銀行またはクレジットカード会社より過去180日以内に発行された取引明細書
- ビジネス用のEメールアドレスまたは既存のAmazonアカウント
- 電話番号
- 有効なクレジットカード
- 銀行口座番号(Amazonから売上金を受け取る口座)
これらの情報を入力した後、ライブ配信で本人確認面談を行って初めてAmazon出品者アカウント登録が完了します。面談では身分証明書や取引明細書をカメラで見せる必要があるため、事前に用意しておきましょう。
面談後に、アカウントを大口出品・小口出品のどちらにするか質問されます。それぞれ手数料のルールや扱える商品数に違いがあるため、以下を参考に選んでみてください。
大口出品 | 小口出品 | |
---|---|---|
手数料 | 月額4,900円固定 | 商品1点あたり100円 |
商品点数 | 制限なし | 100点まで |
2. FBAのセットアップ
Amazon出品用アカウントが作成できたら出品前にセットアップを行い、必要な設定を終わらせましょう。
セットアップが終わると、出品者はAmazonが提供する配送サービスやカスタマーサポートサービスが利用可能になります。なお、FBAのセットアップが必要なのはアカウント開設時のみで、以降は必要ありません。
3. 商品の出品と納品
FBAのセットアップが完了したら商品の出品と納品を行い、消費者が購入できる状態にしましょう。商品の出品と納品とは、出品者が商品を登録しAmazon倉庫に送ることであり、以下の手順で行います。
手順 | 工程 |
---|---|
1. 商品情報や価格を入力(商品登録) | Amazonセラーセントラルから商品の情報や価格を入力する |
2. 商品ラベルを作成し商品に貼付 | セラーセントラルから商品ラベルを印刷し、外箱に貼り付ける |
3. 登録した商品を梱包 | Amazonが指定する梱包材で商品を梱包する |
4. Amazon倉庫宛てに商品を発送 | 梱包した商品をAmazon倉庫に発送し、納品予定日や数量を報告する |
物流だけでなく、受注処理や
顧客対応まで委託したい方へ
フルフィルメント代行サービス資料はこちら
5FBA利用にかかる手数料
FBAの利用にかかる主な手数料は、大きく以下の4つに分類されます。
- 在庫保管手数料
- FBA長期在庫追加手数料
- 配送代行手数料
- その他の手数料
在庫保管手数料
在庫保管手数料とは、FBA倉庫に在庫を預ける際にかかる手数料です。
商品のサイズ区分と保管時期によって金額が変動し、基本的に大きい商品ほど手数料が高い傾向にあります。
商品のサイズ区分は「小口・標準サイズ」と「大型サイズ」の2種類があり、重さが12kg以下・長さ45cm×幅35cm×高さ20cm以内の商品は「小口・標準サイズ」として扱います。それよりも大きい商品や重い商品は「大型サイズ」の扱いです。
また、1月〜9月と10月~12月の保管時期によって手数料は異なり、後者のほうが商品の需要が高くなるため、高額に設定されています。
FBA長期在庫追加手数料
FBA長期在庫追加手数料(旧長期在庫保管手数料)とは、商品を一定期間FBA倉庫に保管した場合にかかる手数料です。在庫の健全性を維持するため、271日〜365日保管した商品に対して請求されます。
FBA長期在庫追加手数料を節約するためには、以下の方法があります。
- 需要が高く定期的に入れ替わるような商品を選定する
- 在庫パフォーマンスダッシュボードやFBA在庫期間レポートなどを活用し、
在庫の状況を把握する - FBA長期在庫追加手数料がかかる商品を返送または廃棄する
配送代行手数料
配送代行手数料とは、FBAでの商品発送・配送にかかる手数料です。在庫保管手数料と同様、商品・梱包材・箱全てを含めた重さと大きさによって変わります。
また、配送代行手数料には、注文処理費用や梱包費用、送料やカスタマーサービス費用などが含まれます。
配送代行手数料を節約するためには、以下の方法があります。
- 商品の重さや大きさを最小限に抑える
- 梱包材やラベルを適切に利用する
- FBA料金シミュレーターを使って手数料を事前に計算する
その他の手数料
上記以外にも、FBAには以下のような手数料がかかります。
手数料 | 概要 | ポイント |
---|---|---|
納品不備受領作業 手数料 | 適切な準備やラベル貼付なしに商品がFBA倉庫に納品された場合に請求される手数料 | 納品前に準備・ラベルを確認することで発生しない |
返送/所有権の放棄 手数料 | 在庫を返送・廃棄する場合にかかる手数料 | 商品が売れ残ると発生するため、売れ筋商品を中心に販売することで未然に防止が可能 |
購入者返品 手数料 | 返品時の送料を無料にする場合に出品者が負担する手数料 | 返品時の送料を購入者負担にすることで発生しない |
6まとめ:FBAの利用も効果的なEC運営方法の1つ
FBAとは、Amazonが商品の受注から配送・カスタマーサポートまでフルフィルメント全般を代行するサービスです。出品した商品がプライム対象商品になり、Amazonへの業務委託により自社内の業務負担を減らせることがメリットです。
一方で、手数料の発生や、他ショップとの差別化が困難になるデメリットもあります。
ラベル貼付や流通加工、顧客ごとの販促マーケティングなど、FBAでは対応できない施策もあるため、その場合は、FBA以外へのアウトソーシングも検討してみてはいかがでしょうか。
当社では、長年の実績から培った知見とノウハウを活かし、業界トップクラスのフルフィルメントサービスを提供し、EC通販事業者さまの課題解決に繋がる柔軟なサービスを提供しております。お困りごとがありましたら、お気軽にお問い合わせください。
物流だけでなく、受注処理や
顧客対応まで委託したい方へ
フルフィルメント代行サービス資料はこちら
サービスはこちら