メルマガは、「メールマガジン」の略称で、定期的にメールを配信し、顧客に情報発信を行う手法です。ECサイトの売上アップやリピーター獲得にも効果的なツールであり、LINE公式アカウントやSNSなど、新しい広報ツールが生まれた現在でも、引き続き活用されています。
本記事では、ECサイトでメルマガを活用するメリットや注意点、コンテンツの作り方を紹介します。配信のポイントも合わせて紹介しますので、ぜひご参考ください。
目次
ECの受注担当者・顧客対応担当者が抱える
お悩み “あるある”5選と解決策
1ECサイトにおけるメルマガとは?
ECサイトのメルマガは、自社で販売している商品やサービスの情報を定期的に発信し、最終的に顧客に購入してもらうことが目的です。
メルマガの最大の特徴はこちらのタイミングで情報発信ができることです。顧客の行動に左右されるSNSとは異なり、店舗側が主体となって情報を届けられることも大きな魅力の一つです。
また、メルマガは一方通行の情報発信だけでなく、コミュニケーションにも活用できます。
顧客からの要望や商品の感想を集めることで、次の商品開発や広報活動にも役立てることができます。
2ECでメルマガを配信する目的・メリット
ECサイトでメルマガを配信する目的やメリットは、以下の3つです。
- リピーターの獲得・育成
- クロスセル・アップセル
- ブランディング・顧客LTVの向上
リピーターの獲得・育成
メルマガで定期的に情報発信を行うことで顧客との関係性が深まり、商品・サービスを継続購入してくれる可能性も高まります。
【継続購入・リピーター獲得に効果的な配信例】
- 新商品発売やセールの告知
- 人気商品やおすすめ商品の案内
- クーポンやポイントの発行・利用期限通知
商品を購入してもらった後も、継続してメルマガを配信することで次回以降の購入の選択肢に入れてもらえる可能性が高まります。また、アフターフォローを充実できると顧客満足度の向上を狙うこともできるでしょう。
クロスセル・アップセル
顧客が商品を購入した後、関連商品や高額商品をメルマガで後追い提案することで、次回の購入に繋がりやすくなります。この際、「クロスセル」や「アップセル」の考え方に基づいて、顧客に提案する商品を選ぶことがポイントです。
クロスセルは顧客の購入商品に関連した商品を提案する方法であり、アップセルでは購入商品よりも高額の商品を提案する販売手法です。商材や価格によって適した施策は異なるため、より効果の高い施策を選びましょう。
ブランディング・顧客LTVの向上
メルマガでは、年齢や性別などのセグメントを分けた情報発信が可能です。特定の顧客に合わせて、有益な情報を伝えられると顧客満足度の向上やリピーターの促進ができるため、結果的にLTV(顧客生産価値)の向上にもつながります。
お役立ち情報や自社商品のこだわりを継続的に配信できるとブランディングにも効果的です。ブランディングの効果が出れば、売上アップも期待できます。
3メルマガの配信形式
メルマガには以下2種類の形式があり、それぞれメリット・デメリットがあるため、自社の顧客層や配信内容に適した形式を選びましょう。
- テキストメール
- HTMLメール
テキストメール
文字のみで構成されたメール形式が「テキストメール」です。テキストのみで容量が少ないため顧客側のネット環境にも左右されにくく、配信の際に特別なツールも必要ありません。
一方で、画像や動画は掲載できず、テキスト装飾やレイアウト調整もできません。
また、開封率を確認するためのタグを埋め込めないため、顧客側の反応を把握できないことも注意が必要です。開封率からメルマガの件名や本文を見直したり、ABテストなどの改善はできません。
テキストメールは、メルマガ作成に時間をかけられない場合や、HTMLメールの作成技術・環境がない場合に利用しましょう。
HTMLメール
HTMLコードを使って作成するメール形式が「HTMLメール」です。テキスト装飾やサイズ、レイアウト調整や画像の掲載など、さまざまな装飾が可能です。
さらに開封率やクリック率を測定するタグを埋め込めるため、改善を繰り返していくことで、メルマガの開封率やクリック率が向上し、最終的には売上の向上にもつながります。
ただし、作成のノウハウが必要で、配信ツールを利用する際のコストがかかる点は理解しておきましょう。
ECの受注担当者・顧客対応担当者が抱える
お悩み “あるある”5選と解決策
4ECにおけるメルマガの配信手順
ECサイトのメルマガは、以下の3ステップで作成していきます。
- ターゲットを設定する
- 件名を決める
- 本文を執筆する
1. ターゲットを設定する
メルマガの件名や本文の内容は、ターゲット(配信先)に合わせて決める必要があるため、最初に設定します。ターゲットの属性は以下のように細かく設定すると、より顧客に響くメルマガになるでしょう。
- 年齢
- 性別
- 職業
- 興味・関心
- 悩み
2. 件名を決める
メルマガの件名は開封率に大きな影響を与えるため、設定したターゲットに関心を持ってもらえる文言にします。
近年はスマートフォンでメルマガを受信している割合も多い傾向にあります。
スマートフォンの場合、受信した際に画面上部に件名が表示されるため、その際に「自分に必要な情報」だと認識させる工夫も必要です。例えば、ターゲットの年齢や性別を盛り込んだり、具体的な数値を入れることも1つの方法です。
3. 本文を執筆する
メルマガの本文には、伝えたい情報を読みやすい文章で記載します。顧客にしっかり読んでもらうために、本文の構成や内容は非常に重要です。ブロックに分けて内容を検討しましょう。
例えば、以下のブロックに分けて内容を検討する方法もあります。
ブロック | メルマガに入れておきたい内容 |
---|---|
ヘッダー | ・会社名、メルマガ名を装飾とともに記載 ・毎回、同じものを使うことを推奨 |
リード文 | ・商品購入を促進する文章 ・顧客の名前を入れると読んでもらいやすい |
本文 | ・訴求するコンテンツを1つ掲載 ・2つ目以降はサブコンテンツとして記載 |
フッター | ・発行元やサイトのURLを記載 ・毎回、同じものを使うことを推奨 |
また、特定電子メール法に基づき、フッターには以下2点の記載が必要です。
- 配信元の氏名または名称(会社名・ショップ名など)
- メルマガの配信停止ができる窓口(問い合わせ先など)
5ECにおいて効果的なメルマガ配信のポイント
メルマガを配信し、ECサイトの売上を伸ばすためには、以下6つのポイントを押さえる必要があります。
- 配信頻度・タイミングを工夫する
- 件名にこだわる
- 顧客リストを適切に管理する
- 特定の顧客リストへ配信する
- PDCAをまわす
- メルマガ配信サービスを利用する
配信頻度・タイミングを工夫する
メルマガの配信時間は、ターゲットとなる顧客がメールを確認しそうなタイミングに設定します。例えば、主婦なら平日の昼間、サラリーマンなら土日や昼休みの時間帯などです。
販売したい商品のターゲットごとに、配信頻度やタイミングを変えることで開封率を高めることが可能です。配信頻度やタイミングを都度調整し、効果の高い時間帯・曜日に配信できるよう改善しましょう。
件名にこだわる
上述したように、メルマガの開封率に大きく影響するのが件名です。開封されやすい件名には以下の要素が含まれています。
開封されやすい件名の特徴 | 要素 |
---|---|
読むメリット | ・割引、無料 ・先行情報 |
具体的な数値 | ・〇〇%引き ・〇月〇日まで |
限定感 | ・期間限定 ・数量限定 |
上記以外に、「文字数は30文字前後に抑え、重要キーワードを冒頭に入れる」「メルマガの内容が瞬時でわかるようにする」などに注意しながら、ターゲットの心をつかむ件名に仕上げましょう。売り込み感が出過ぎないようにすることも重要です。
顧客リストを適切に管理する
メルマガを長期間運用していると、メールを正常に送れないメールアドレスが少しずつ増えてきます。送信できないメールアドレスを放置していると、到達率が低下してしまうため、定期的に配信リストを見直しましょう。
また、リストの管理では、顧客の属性や行動の特性(問い合わせの有無など)までリストに記載できていると、特定の属性を持ったターゲットに絞ったメルマガ配信も可能です。
特定の顧客リストへ配信する
特定の属性をもった顧客に絞ってメルマガを配信することで開封率が上がり、購入率の向上にもつながります。反対に、万人受けを狙ったコンテンツばかりを配信しても、購入につながりにくいため気を付けましょう。
PDCAをまわす
顧客がメルマガを開封してから商品購入に至るまでには、顧客側の判断が複数回入ります。このような顧客の行動を分析し、メルマガの内容を改善していくことが重要です。
顧客の行動は、以下のような値に数値化できます。
顧客の行動の数値 | 内容 |
---|---|
到達率 | ・メルマガが顧客のもとに届いた割合 ・顧客リストの管理度合に関係 |
開封率 | ・顧客がメルマガを開封した割合 ・件名や差出人情報に関係 |
反応率・クリック率 | ・開封されたメルマガ内のリンクがクリックされた割合 ・本文の内容に関係 |
得られた数値をもとにPDCAをまわしていけば、メルマガの完成度が上がっていきます。
メルマガ配信サービスを利用する
顧客リストが増えると手動管理や運用が難しくなるため、ある程度増えてきたら、メルマガ配信サービスを導入して管理の手間を減らしましょう。
メルマガ配信サービスの最大のメリットは、誤配信や送信エラーによる間違いが発生しにくい点です。メルマガ配信サービスを提供している企業は数多く、それぞれに特徴があるため、費用対効果と照らし合わせて最適なシステムを選定することが重要です。
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お悩み “あるある”5選と解決策
6メルマガ配信する際の注意点
顧客満足度の向上や売上アップを狙えるメルマガでも、顧客からの信頼性が低いと、購入につながりません。ECにおけるメルマガを配信する際は、以下の3点に注意しましょう。
- セキュリティ対策をする
- 誤配信に気を付ける
- 配信停止ができるようにする
セキュリティ対策をする
メルマガと偽り、個人情報を抜き出そうとする業者も存在します。メルマガの安全性を証明するためにも、セキュリティ対策は徹底しましょう。
セキュリティ対策にはメールサーバーの知識・技術を求められますが、証明書の機能が備わっているメルマガ配信サービスもあるため、サービス選定際は、証明書機能が付いたものを選びましょう。
誤配信に気を付ける
一度配信したメルマガは後から修正することはできません。そのため、オペレーションミスなどによる誤配信があった場合、メルマガ配信停止が増える可能性もあります。
誤配信後の対応に追われ、本来の業務に集中できなくなる懸念もあるため、配信前のチェックは徹底しましょう。
配信停止できるようにする
以下のように、特定電子メール法に従う必要があります。
- 顧客側から配信停止できる
- 配信停止した顧客には配信しない
- 顧客の同意を得てから配信する
- 氏名やメールアドレスなどの送信者情報を明記する
- 電話番号納やメールアドレスなどの問い合わせ先を掲載する
商品情報を掲載したメルマガは、すべて特定電子メール法の適用対象のため、ルールを守ってメルマガを作成してください。
7まとめ:メルマガのポイントを掴んでECの売上を上げよう
ECサイトのメルマガは、顧客に対して販売したい商品を訴求できる有効な手段です。
顧客に役立つ情報を発信することによって、顧客満足度が上がり、結果的に売上アップにつながります。
メルマガで効果的に売上を伸ばすためには、どのような属性の顧客にアプローチするかを意識して、コンテンツを作成することが重要です。作成ポイントを理解し、自社ECの売上を伸ばしていきましょう。
ECの受注担当者・顧客対応担当者が抱える
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