ECサイトの商品画像は、商品の特徴を視覚的に伝える役割を担うものです。ユーザーの第一印象に関わる重要な部分であり、売上にも大きな影響を与えるため、質にこだわることで売上の向上にもつながります。
本記事では、売れる商品画像の共通点や撮影・加工のポイント、役立つアプリ・ツールを解説しますので、商品画像制作にお役立てください。
目次
ECの売上アップに繋がる「多店舗展開」、
メリットや成功の秘訣を具体例と共に解説!
1売れる商品画像とは
売れる商品画像とは、クリックや購入を効果的に促進し、売上に繋げられる商品画像のことをいいます。
商品の魅力が一目で伝わり、思わずクリックして詳細を見たくなる商品画像は、ユーザーの興味を惹くために大変有効です。
商品画像の重要性
ECサイトでは、ユーザーの検索結果は主に商品ページの一覧が表示されるため、商品画像をショップの顔としてしっかり作り込むことが重要です。
さまざまな商品が表示される中で、デザインやサイズ感などが一目でわかると商品のイメージが湧きやすく、クリック率の向上にも効果的です。
画像はテキストに比べて7倍の情報量があるといわれ、多くの情報を伝えることが可能です。商品の特徴や見た目を画像で表現できると、商品の魅力や利用シーンを十分に伝えることができるため、購入意欲を高めることも可能です。
2売れる商品画像の特徴
売れる商品画像には、以下4つの共通点があります。
- 商品の全体像がわかる
- ピントやアングルが合っている
- サイズ・質感・色味が伝わる
- 利用シーンをイメージできる
商品の全体像がわかる
フォルムやサイズ感などが伝わると、多くの情報から検討できるため購入率も高まります。
商品画像1枚だと情報を細部まで伝えきれないため、必要に応じて商品の裏面や背面など、見えない部分の画像も添えられると、より購入後のイメージがつきやすくなります。
ピントやアングルが合っている
ピントがズレていると背景に溶け込んで目立たないため、ピントは正確に合わせましょう。
アングルは、商品がより良く見える構図を意識することがポイントです。色違いなど複数商品を展開している場合は、同じアングルで掲載することでページに統一感が生まれます。
サイズ・質感・色味が伝わる
売れる商品画像は、商品を手にとることができないECサイトにおいて、イメージが伝わりやすいように工夫されており、素材の質感や色味を正確に伝えることで、購入促進につながり売上アップにも効果的です。
商品のサイズ感も、購入を判断する重要な要素です。比較対象にできるモノを隣に置いて撮影したり、テキスト情報でサイズを補足するなどの工夫が必要です。
利用シーンをイメージできる
商品単体の画像も必要ですが、例えば、商品の着用画像や部屋に飾ったときの画像があると、より利用したときのイメージが膨らみやすくなり、購入率にもつながります。
商品がどのようなシーンで、どのように使われるかを想像し、商品画像で具体的に表現できると良いでしょう。
ECの売上アップに繋がる「多店舗展開」、
メリットや成功の秘訣を具体例と共に解説!
3売れる商品画像を撮影・加工する手順
以下の4ステップで商品画像を撮影・加工をすすめます。
- 画像の構図やシチュエーションを決める
- 撮影に使う機材や小物を準備する
- 商品を撮影する
- トリミングや色合わせなどの調整をする
1. 画像の構図やシチュエーションを決める
商品を撮影する前に、ユーザーが求める情報や競合ショップの画像などを分析し、構図やシチュエーションを考えましょう。
商品画像は、正面から撮影した「メイン画像」、細部を撮影した「詳細画像」を用意することが基本です。これらの画像の構図やアングルなどを事前に決めましょう。
また、利用シーンを想起させるイメージ写真を撮影する場合は、着用写真や盛り付け写真など、商品に合ったシチュエーションも用意しましょう。
2. 撮影に使う機材や小物を準備する
撮影に最低限必要な機材は、以下のとおりです。
撮影に必要な機材 | 役割 |
---|---|
デジタルカメラ | 商品を撮影する ※スマートフォンでも可 |
三脚 | 手ブレを防止する |
レフ板 | 光を多く採り入れる |
背景紙 | 背景に色やデザインを加える |
撮影ボックス | 余計な光を遮断する |
商品を引き立てる小物類は、商品の色味や利用シーンに合わせて用意しましょう。
例えば、植物やインテリアなど商品の良さがより伝わる小物を選ぶと、雰囲気を演出しやすくなります。
3. 商品を撮影する
撮影した写真を魅力的に加工するためにも、より良い素材を選べるように、構図やアングルなどを変えた写真を複数パターン撮影しましょう。撮影中に光の角度や強さが変わることがあるため、撮影場所を変えたりレフ板を使うなど、微調整しながら撮影することがポイントです。
4. トリミングや色合わせなどの調整をする
最後に、撮影した写真から採用する商品画像を選び、以下のような仕上げ作業を行います。
【調整作業の例】
作業 | 方法 | 効果 |
---|---|---|
色合わせ | 画像の色味やトーンを統一する | 複数の写真を組み合わせるときに 色味を合わせられる |
明るさ調整 | 画像の明るさやコントラストを調整する | 画像を明るく見やすく調整できる 商品の色味を際立たせる |
トリミング | 画像の余分な部分を取り除く | 画像の必要な部分だけを残すことができる |
切り抜き | 被写体の輪郭に沿って切り抜く | 商品を際立たせることができる 画像の組み合わせがしやすくなる |
リサイズ | 画像サイズを変更する | 規定の画像サイズに調整できる |
リネーム | ファイル名を変更する | 商品画像をわかりやすく管理できる |
商品のバリエーションやスペックなどを伝えたい場合は、テキストの挿入も効果的です。
4売れる商品画像を撮影・加工するポイント
商品画像をより魅力的に撮影・加工するポイントは、以下の5つです。
- 自然光を取り入れる
- 背景を白に統一する
- 構図・アングルにこだわる
- シーンに合った小物を活用する
- 商品の特徴がわかるテキストを挿入する
自然光を取り入れる
自然光の入る場所で撮影をすると、人工の照明よりもナチュラルな雰囲気が出やすく、商品の質感や色味が伝わりやすくなります。自然光が入りやすい窓に近い場所で撮影し、光の角度や強さを調整しましょう。白いレースで窓を遮ったり、レフ板で光をコントロールすると、簡単に光を調整できます。
午後は光が強くなり、夕方は光が赤みがかるため、なるべく優しい光が射す午前中に撮影しましょう。この場合、自然光と照明の光が混ざらないように、照明を消すことも大切です。
自然光を取り入れられない撮影環境であれば、カメラの明るさ調整機能を活用してください。
背景を白に統一する
背景の色はECモールのガイドラインで定められていることが多く、白で統一するのが基本です。白は商品を強調しやすく、本来の色味を表現でき、清潔感のある印象になります。また、撮影した写真から商品を切り抜いたり、テキストを入れる際に作業しやすくなります。
ガイドラインに背景色の規定がなかったり、ルールが自由な自社ECの場合は、背景で商品の雰囲気を演出する方法もあります。例えば、黒は高級感、木目はナチュラル感を出しやすいため、商品に合わせて背景を工夫してみましょう。
構図・アングルにこだわる
商品を撮影する角度によって印象が異なるため、以下のように複数の構図やアングルを使ってみてください。
【構図の例】
構図名 | 商品の位置 | 特徴 |
---|---|---|
日の丸構図 | 中央 | 商品が目立ちやすい |
三分割構図 | 縦横を3×3で分割した線が交差した 4つの点のいずれか | 見た目のバランスを取りやすい |
対角線構図 | 対角線に沿った位置 | 奥行きが生まれ、躍動感を演出しやすい |
【アングルの例】
アングル | 撮影の位置 | 特徴 |
---|---|---|
ハイアングル | 商品より高い | 全体像を見せやすい |
水平アングル | 商品と水平 | サイズ感を伝えやすい |
ローアングル | 商品より低い | 迫力のある印象になる |
また、商品に色やデザインなどの種類がある場合は、バリエーションが伝わる構図・アングルを意識しましょう。例えば、日の丸構図で色の異なる商品を並べ、ハイアングルで全体を画角に収めると、バリエーションが伝わりやすくなります。
シーンに合った小物を活用する
花や植物でナチュラルな雰囲気を演出したり、トレーやカゴに入れると、他の商品画像との差別化が可能です。
食品を紹介するときに食器に盛り付けた様子を撮影するなど、商品の利用シーンを想起させる小物の活用も売上アップに効果的です。
商品の特徴がわかるテキストを挿入する
例えば、電化製品の場合はスペックが重要になるため、数値情報や概要説明を挿入して補足しましょう。ただし、ECモールによっては画像に占めるテキスト割合を定めているため、商品画像ガイドラインを守りながら、工夫することがポイントです。
ECの売上アップに繋がる「多店舗展開」、
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5商品画像を作成する際の注意点
商品画像を作成する際は、以下2つの注意点に気を付けましょう。
- ECモールのガイドラインを確認する
- 著作権の違反に注意する
ECモールのガイドラインを確認する
ECモールでは、商品画像に関するガイドラインを定めているため、事前に確認し遵守しなくてはなりません。ガイドラインに違反すると、各ECモールで定めた出品停止や掲載順位低下といったペナルティが課される可能性が高いため、必ずルールを守りましょう。
【主なECモールのガイドラインの内容:2023年7月現在 】
ECモール | ガイドラインの主な内容 |
---|---|
Amazon | ・本体のみ掲載されていること ・背景は白であること ・テキストやグラフィックを混在させないこと ・画像内の背景を少なくし、本体を画像の9割を占める大きさにすること ・明るい状態で撮影され、画質が鮮明であること ・著作権をクリアしていること ※上記はメイン画像に関するガイドラインです |
楽天市場 ※店舗運営に関する ガイドラインに記載 | ・商品画像内に配置するテキスト要素の占有率は20%以下にすること ・枠線なしの商品画像を登録すること ・背景は写真背景か単色白背景のみを使用すること |
Yahoo!ショッピング ※確認にはログインが必要 | ・背景は写真背景か単色白背景のみを使用すること ・枠線なしの商品画像を登録すること ・画像を中央に配置すること ・テキスト要素を20%以下にすること |
著作権の違反に注意する
商品画像が著作権に違反すると、ECモールのガイドラインに抵触したり、権利者とのトラブルに発展するケースがあります。著作権違反に該当する商品の販売停止や、販売に伴う損害賠償を求められることもあるため、タレントや著作物などが写った画像の使用は避けましょう。
また、フリー素材は著作権がないと思われがちですが、利用条件を満たした場合に使用が認められるようになっています。利用条件を超えた使用は著作権侵害になる可能性があるため、規約を必ず確認しましょう。
6売れる商品画像をデザインできるアプリ・ツール
売れる商品画像の作成に役立つアプリ・ツールは、以下の3つです。
- Photoshop Express
- Fotor
- Canva
Photoshop Express
Photoshop Expressは、Photoshopの機能をiOSまたはAndroidで利用できるアプリです。Photoshopよりもモバイルデバイスでの写真に特化しているため、スマホユーザーに見やすい商品画像を制作できます。
かすみ除去やレタッチなどの機能を使用でき、自動切り抜き機能によるコラージュ編集も可能です。GoogleフォトやDropboxなどと連携すると、Photoshop Expressに編集したい画像を呼び出すことができ、スムーズに作業できます。
Fotor
Fotorは、アプリやソフトをダウンロードすることなくページ内で画像編集を完結できるツールです。アプリやソフトも提供しているため、使いやすいプラットフォームで作業できます。
編集したい画像をアップロードするだけで、サイズ変更や文字入れなどの各種機能で画像を加工できるのが特徴です。また、ページ内に画像編集に役立つガイドやチュートリアルを用意しているので、画像制作に慣れていない方はぜひ参考にしてみてください。
Canva
Canvaは、画像や動画などさまざまなコンテンツのデザインができるツールです。豊富なテンプレートを用意しているため、商品画像制作のノウハウが少ない場合も質の高い画像を簡単に制作できます。
Canvaのプラン | 特徴 |
---|---|
Canva Free | 無料で提供されているテンプレートやツールを利用できる |
Canva Pro | 無料プランよりも高度なツールや素材を無制限で使用できる |
Canva for Teams | デザインを管理できる、デザインに対してコメントできる |
7まとめ:売れる商品画像で売上を高めよう
ユーザーの第一印象になり、売上に直結する商品画像は、質にこだわった撮影や加工が重要です。自然光で本来の色味を表現したり、構図やアングルを工夫して魅力的な商品画像を作りましょう。ただし、ECモールで使用する場合は、ガイドラインに注意が必要です。
質の高い商品画像を作成するノウハウやリソースが自社に不足している場合は、アウトソーシングを検討してみてはいかがでしょうか。
当社では、EC運営支援の一つとして、商品画像の作成やサイトへの登録業務にも対応しています。画像作成に課題を感じている場合は、お気軽にご相談ください。
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