ECサイト運営における顧客対応とは、顧客からの問い合わせや要望などに対応する業務のことです。顧客の疑問や不安を解消することはもちろん、リピーターの獲得や売上アップなどにも繋がります。
本記事では、ECサイト運営で顧客対応が重要な理由や満足度が高まるポイント、具体的な施策を詳しく解説しますので、ECサイト運営の担当者はぜひご参考ください。
目次
ECの受注担当者・顧客対応担当者が抱える
お悩み “あるある”5選と解決策
1ECサイトにおいて顧客対応が重要な理由
ECサイトにおいて顧客対応が重要な理由は、主に以下の4点です。
- リピーターやファンの獲得に繋がる
- 商品の購入を促すことができる
- 商品開発やサービス改善に活かせる
- 良い評判・口コミを増やすことができる
リピーターやファンの獲得に繋がる
近年、商品・サービスそのものだけではなく、購買体験を重視する顧客が増えている傾向があります。疑問や不安に対する的確な回答やクレームへの真摯な対応は、満足度の高い体験を提供できるとともに、リピーターやファンの育成にも繋がります。
マーケティングにおいて「新規顧客の獲得には既存顧客の維持よりも5倍のコストがかかる」と言われているため、質の高い顧客対応によって既存顧客のリピートを維持できれば、集客コストの削減にも繋がります。
商品の購入を促すことができる
例えば、商品購入にともないネックとなっている疑問や不安に対して適切に回答ができると、より確実な購入に繋げることができます。
また「定期購入をストップしたい」「契約を解除したい」といった問い合わせに対して、解約に至った原因を解決できる提案をすることで、利用継続の可能性も高まります。
さらに、問い合わせ内容に応じて関連商品を勧めたり、ワンランク上の商品を提案することによって、アップセルやクロスセルも実現可能です。
商品開発やサービス改善に活かせる
まず、顧客から多く寄せられる質問は「顧客を迷わせてしまうポイント」になっているため、以下の対応などで未然に防ぐことができます。
- よくある質問の項目追加
- 商品ページへの注意書き追記
また、商品に対する意見や要望はプロダクトの開発や改善に役立てることができます。その中でも顧客が感じている不便な点を改善すれば、より良い商品を提供できるでしょう。
良い評判・口コミを増やすことができる
顧客は商品を選ぶ際にそのショップの評判・口コミをチェックすることが多く、購入する決め手の1つにもなっているため、良い評判を集めることは重要です。好意的な評判が多くなれば、商品・サービスに関する不安を解消でき、安心して購入することができます。
2ECサイトにおける顧客対応の内容
ECサイトにおける顧客対応は、主に以下5つの内容に分けられます。
- 商品・サービスに対する問い合わせ
- キャンペーン・割引に関する問い合わせ
- 注文内容の変更・確認
- 商品の返品・返金
- 修理・故障
商品・サービスに対する問い合わせ
商品・サービスに関する問い合わせは、顧客対応の中でも基本的な内容です。
サイズやカラーといったスペック、サービスの契約期間・使い方など、さまざまな悩みや要望に対して適切に回答する必要があります。
自社商品を深く理解し、正しい情報を伝えることがポイントです。取り扱う商品が多い場合は、商品別に特徴をまとめたり勉強会を実施するなど、誰でも商品について答えられる体制を整えましょう。
キャンペーン・割引に関する問い合わせ
顧客の質問に合わせて、実施期間や応募方法、特典などを丁寧に説明しましょう。特に割引については、割引額や条件が購入の決め手にもなるため、わかりやすく伝える必要があります。
ECサイト上で複数のキャンペーンを実施している場合は、顧客にとって最もお得なキャンペーンを案内できると、アップセルやクロスセルにも繋がるため、柔軟に案内できる体制を整えることが大切です。
注文内容の変更・確認
ECサイトで商品を購入した後に、「別の商品に変更したい」「数量を変更したい」など注文の変更や確認の問い合わせが届くことがあります。希望する商品への注文変更や、数量を増減させるなど、依頼内容に合わせて適切な対応を行いましょう。
商品の返品・返金
商品の不備や、配送ミスが起きた場合には、返品・返金対応が必要です。
ECサイトでは、商品の実物を見ることができないため、実店舗よりも返品率が高い傾向があります。商品に初期不良や破損があった場合には、ECサイト側に責任があるため、スムーズに返品・返金の対応を提案しましょう。
注文した商品と異なる商品が届いた場合は、速やかに正しい商品を届け、ミスのあった商品を返送してもらうことが基本の対応です。
また「イメージと違った」「サイズが合わなかった」など顧客都合の場合は、必ずしも返品・返金する必要はないですが、顧客の気持ちに寄り添いながらも、自社のルールに従って対応しましょう。
スタッフごとに対応が異なるとクレームに繋がりやすいため、全体でルールを統一することがポイントです。
修理・故障
修理に対応している場合は、受付時にまずは事実確認を行い、修理可能かどうかの判断が必要です。可能な場合は、商品を返送する方法や修理に要する期間などを伝えて、連絡手段や連絡可能な時間帯を確認することが主な対応の流れになります。
修理に対応していない場合は、あらかじめECサイトに対応不可の注意書きを記載しておきましょう。
ECの受注担当者・顧客対応担当者が抱える
お悩み “あるある”5選と解決策
3ECサイトの顧客対応に失敗する原因
ECサイトの顧客対応がうまく実施できていないとき、主に以下の3つの原因が考えられます。
- コミュニケーションが上手くとれていない
- スキルに個人差がある
- 体制が整っていない
コミュニケーションが上手くとれていない
顧客対応では、顧客からの質問や意見などを汲み取り、適切な回答や提案をすることが重要ですが、顧客側が納得していない場合は、コミュニケーションが上手くとれていない可能性が考えられます。
また、コミュニケーション不足により対応時間がかかりすぎると、顧客側のストレスがたまり、クレームに発展するケースも少なくありません。
スキルに個人差がある
質問や要望を想定した回答は準備できますが、実際のコミュニケーション能力には個人のスキルも求められます。「要望に合わせたとっさの案内ができない」「誤字脱字が多い」など、個人の対応ミスがあると満足度や信頼を落としてしまうため注意が必要です。
スキルに個人差があるのは、個人の能力の違いだけが原因ではありません。スキルアップの機会やフォローの意識などが足りていない場合にも、スキルの差が対応の質に現れます。
体制が整っていない
「顧客からの問い合わせを管理できていない」「進捗を把握できていない」など、体制が整っていないことも顧客対応に失敗する原因です。
特に、問い合わせ内容が複数種類ある場合や、大人数の対応スタッフがいる場合などでは、誰がどの案件に対応しているかを把握することが難しく、進捗確認にも時間がかかるため、対応漏れや二重対応が起きてしまうケースもあります。
4ECサイトの顧客対応で押さえたいポイント
ECサイトで質の高い顧客対応ができるように、以下5点のポイントを実践しましょう。
- スピーディーかつ丁寧に対応する
- 正確な情報を伝える
- 情報共有を徹底する
- クレームに対しては解決策を提案する
- スタッフの対応レベルを向上する
スピーディーかつ丁寧に対応する
問い合わせ内容をすぐに解決できると、顧客の満足度が高まり、商品の購入や信頼の獲得に繋がりやすくなります。
また、対応スピードだけではなく丁寧さも大切で、言葉遣いはもちろん、顧客の悩みや要望に耳を傾け、希望に合った提案を丁寧に行いましょう。
正確な情報を伝える
誤った情報を伝えてしまうと不満に繋がり、クレームに発展する恐れがあります。正しい情報を伝えるためには、商品やサービスへの理解が欠かせないため、提供商品やサービスをスタッフ自身が詳しく理解し、どのような質問にも答えられるようにしましょう。
商品やサービスに関する勉強会を開催し、必ず伝えるべきことに対してマニュアルを共有するなど、伝える内容を統一することも重要です。
情報共有を徹底する
対応漏れや二重対応などのミスが起こらないように、情報共有を徹底しましょう。
進捗管理ツールやスプレッドシートなどで、問い合わせの担当者や進捗が一目でわかるように管理します。進捗は対応メモを合わせて記載することで、担当者の急な不在や休暇でも対応が可能になります。
また、頻繁に発生する問い合わせ内容やキャンペーン概要、新商品の特徴など、全体で知っておくべきことも共有することが重要です。知らなくて対応ができなかったということがないように、問い合わせ内容を想定した情報共有も重要です。
クレームに対しては解決策を提案する
クレームに至った経緯によって異なりますが、基本的には顧客側は困った状況に置かれているはずです。丁寧にお詫びをして、原因や事実確認をした後に、返品・返金や交換などの解決策を提示しましょう。
顧客側から解決策の納得を得られたら、再度お詫びをして、貴重な意見をいただいたことに感謝し対応を締めくくるのが基本です。事態を収めるために謝罪を続けてしまいがちですが、お詫びを受け入れてもらった後は、その後の対応について丁寧に伝えましょう。
スタッフの対応レベルを向上する
対応に慣れていないスタッフには、ベテランスタッフが教育を担当し、問い合わせ内容の確認やフィードバックを行うことをおすすめします。教育を行うことで自身の対応方法を振り返ることもできるため、ベテランスタッフ側もさらなるスキル向上が期待できます。
また、電話対応の録音データやメール文面など、見本教材を用意するのも手段の1つです。対応の基本を共有することができるため、スタッフ全体のスキルを向上させることができます。
ECの受注担当者・顧客対応担当者が抱える
お悩み “あるある”5選と解決策
5ECサイトの顧客対応を成功させるための具体的な方法
ECサイトの顧客対応を成功させるために、以下の方法も検討しましょう。
- チャットボットを導入する
- FAQを充実させる
- アウトソーシングを活用する
チャットボットを導入する
同じ問い合わせが多い場合は、チャットボットによる自己解決ができるようになると、顧客対応の負担を軽減できます。チャットボットに問い合わせに対する回答を設定しておくことで、スタッフそれぞれで回答が異なるといったリスクも回避できます。
FAQを充実させる
「よくある質問」とも呼ばれるFAQは、顧客自身で疑問を解決できるコンテンツです。顧客から寄せられることが多い問い合わせをあらかじめ掲載しておくことで、自己解決を促せます。
チャットボットと同様に、同じ問い合わせに対応する機会が減るため、顧客対応の効率化が可能になります。さらに、顧客からの問い合わせ内容を記録し、よくある質問を更新し続けていくことで、FAQで対応できる幅を広げることができます。
アウトソーシングを活用する
顧客対応をコールセンターのプロにアウトソーシングすることで、素早いコールセンターの立ち上げや、既存コールセンターの品質改善も可能になります。
一方で、自社内に顧客対応ノウハウが蓄積できない点や、トラブルが起きた際に対応が遅れやすい点には注意が必要です。これらを解消するためには、アウトソーシング先との情報連携を密に行い、運営ノウハウを共有してもらったり、トラブル発生時の対応方法を事前に決めておくなどのコミュニケーションが重要です。
6まとめ:ECサイトの顧客対応を充実させて満足度を高めよう
ECサイトの顧客対応は、丁寧でスピーディーな対応ができると、リピーターや購入率の向上につながります。また、顧客の声に触れる貴重な機会でもあり、商品開発やサービスの改善に役立てることも可能です。
自社で顧客対応を実施するリソースがない場合は、アウトソーシングの活用も検討してみてはいかがでしょうか。
当社では、60年を超える運用実績やノウハウを保有するベテランオペレーターが、あらゆる問い合わせにも柔軟に対応いたします。ECサイトの顧客対応に課題をお持ちの際は、お気軽にお問い合わせください。
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