コールセンター業務を効率化したい場合には、マニュアルの整備やオペレーター配置の見直し、コールセンターシステムの導入などが効果的です。
本記事では、コールセンター業務を効率化する方法や注意点、非効率の原因を解説します。業務効率化に関するお悩みをお持ちの際は、ぜひご参考ください。
目次
顧客対応・受注処理に
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1コールセンターの業務が非効率になる原因
まず、コールセンターの業務が非効率になる原因は、以下の5つがあげられます。
- 繁忙期に問い合わせが増える
- オペレーターが不足している
- 業務を分担できていない
- 問い合わせ内容が複雑で難しい
- 対応内容を手入力で記録している
繁忙期に問い合わせが増える
サービスの繁忙期になると問い合わせが増えてオペレーターが対応しきれなくなり、業務が非効率になります。
結果として顧客応対が遅れてしまう場合や応対品質が低下するケースがあるため、繁忙期にも対応できるように、人員の増加や管理システムの導入などの対応が必要です。
オペレーターが不足している
事業規模に対してオペレーターが不足していると、問い合わせに対して適切に対応することができません。オペレーターが不足する原因としては、業務内容へのストレスや業務量の多さ、教育機会の不足が考えられます。
少ない人員でも対応できるようにツールやシステムの導入に加えて、研修機会を設けることが大切です。
また、公式サイト内のFAQを充実させて、問い合わせ自体を少なくすることも検討しましょう。
業務を分担できていない
問い合わせのチャネルが、電話以外にチャットやメール、SNSなど多岐にわたるとオペレーターの応対業務の難易度が上がり、迅速に対応できないケースもあります。
この場合はチャネルごとに部署を設置し、オペレーターの業務を分担することによって、問い合わせに対して迅速かつ丁寧に対応することが可能です。
チャネルごとに問い合わせの量や内容を判断して、適切な人員配置を行いましょう。
問い合わせ内容が複雑で難しい
問い合わせ内容の種類が多く、さらに複雑な場合は、応対に時間がかかってしまいオペレーターの負担が増加します。
この場合は、問い合わせ内容ごとに部署を設けたり、担当オペレーターに自動振分できるシステムを導入することによって、オペレーターの業務効率を改善することが可能です。
自社へ寄せられた問い合わせ内容を分析し、公式サイト上にFAQを設けることも問い合わせ数を減らすことができる有効な施策です。
対応内容を手入力で記録している
電話応対後、問い合わせへの対応内容を手入力で記録していると、1つの問い合わせに応対する時間が長くなるだけでなく、次の問い合わせに対してすぐに対応できないため、非効率となります。
手入力をなくすようなCTIやCRMといったツールの導入を検討しましょう。オペレーターの手入力業務が減ることによって、コールセンター全体で対応可能な問い合わせ数が増加します。
2コールセンターの業務を効率化するメリット
コールセンターの業務を効率化するメリットは、以下の4つがあげられます。
- コストを削減できる
- オペレーターの負担が軽くなる
- オペレーターの離職を防止できる
- 応対品質向上につながる
コストを削減できる
コールセンターの業務を効率化することによって、少ない人員・時間で多くの問い合わせに対応できるため、人件費の削減につながります。特に事業規模に対して、多くのオペレーターの人員を確保している場合は、効率化する効果が大きくなります。
オペレーターの負担が軽くなる
オペレーターの対応チャネルが多く、対応内容を手入力している場合は、ツールの導入や人員の補充を行うことでオペレーターの負担が軽くなります。
問い合わせ1件あたりにかかる応対時間が減少するだけでも、負担が大きくストレスを抱えていたオペレーターのモチベーション向上が期待できます。
オペレーターの離職を防止できる
オペレーターの負担が大きくストレスを感じやすい環境であると、離職が増加しそのたびに新たな採用・教育コストがかかります。
特に、優秀なオペレーターの採用は難しくなるため、オペレーターの負担・ストレス軽減のためにも、細やかなフォローや教育、システム導入によって作業をスムーズにできるようにするなど、働きやすいコールセンターの環境を構築しましょう。
応対品質向上につながる
コールセンターの業務環境が整備されていない場合、問い合わせへの応対品質はオペレーターのスキルに依存します。
そのため、業務を効率化するためにマニュアルの整備や社内FAQの設置、ツールの導入などを行うことでベテランだけでなく経験の浅いオペレーターも適切に応対できるようになるため、応対品質の向上にも効果的です。
3コールセンターの業務を効率化する方法
コールセンターの業務を効率化するメリットは、以下の7つがあげられます。
- KPIを設定し管理する
- マニュアルを整備する
- オペレーターの配置を見直す
- オペレーターの教育制度を見直す
- チャットボットを導入する
- コールセンターシステムを導入する
- アウトソーシングする
KPIを設定し管理する
KPIを設定して管理することによって、コールセンターの業務が非効率になっている原因と解決策を分析しやすくなります。コールセンターの役割や目的を踏まえて、自社に合ったKPIを設定しましょう。
KPI | 特徴 | 計算式 |
---|---|---|
平均通話時間 (ATT) |
問い合わせの対応にかかる時間の平均 | 通話時間の合計÷対応件数 |
平均処理時間 (AHT) |
通話と通話後の事務作業などの顧客対応にかかる時間の平均 | (通話時間+保留時間+後処理時間)÷対応件数 |
平均後処理時間 (ACW) |
問い合わせの通話後の後処理(事務作業)にかかる時間の平均 | 後処理時間の合計÷対応件数 |
コスト・パー・コール (CPC) |
1件あたりの電話対応にかかるコスト | コールセンターの総コスト÷対応件数 |
稼働率 | オペレーターの勤務時間のうち、問い合わせ対応にかかる時間の割合 | (応対時間+保留時間+後処理時間+待機時間)÷労働時間 |
マニュアルを整備する
問い合わせ内容に対して、オペレーターが適切な回答をすばやく見つけられるようにマニュアルを整備することが大切です。特に、よくある問い合わせと回答を分かりやすくまとめることで、オペレーターの業務効率が向上します。
検索しやすい社内FAQシステムを導入することも、オペレーターの負担を減らすことができます。チャットやメールからの問い合わせに迅速かつ適切に対応するため、返信テンプレートを整備することも効果的です。
オペレーターの配置を見直す
問い合わせ内容や日程、時間帯に応じてオペレーターの配置や人員を見直すことによって、より多くの問い合わせに迅速に対応することができます。 問い合わせが多い時間帯や種類を分析し、オペレーターに必要なスキルや人数を明らかにしたうえで、オペレーターの配置を見直しましょう。
オペレーターの教育制度を見直す
問い合わせへの対応に必要なスキルをオペレーターに教育することによって、応対品質・件数を向上させることができます。
研修やOJTなどの教育制度を設計・導入し、定期的に効果があるか検証しましょう。効果がない場合には現場にヒアリングを行い、教育マニュアルの整備や教育担当者への研修などを実施することが大切です。
チャットボットを導入する
問い合わせに対して、文面で自動的に応答処理できるチャットボットを導入することによって、より多くの問い合わせに対応することが可能です。
オペレーターが電話で応対する件数を減らして負担を軽減できるため、優秀なスタッフの離職防止にもつながります。少ない人員で問い合わせに応対可能であるため、人件費を削減する効果があります。
コールセンターシステムを導入する
顧客情報や問い合わせ履歴を表示できるコールセンターシステムを導入することで、オペレーターが顧客情報や問い合わせ内容を確認する手間が減り、業務を効率化することができます。
以下の表を参考に、自社のコールセンターの役割や状況に合った機能が搭載されているコールセンターシステムを導入しましょう。
機能 | 特徴 |
---|---|
CTI (Computer Telephony Integration) |
・電話とコンピューターを統合させたシステム ・問い合わせが入ったタイミングで顧客情報を教えてくれる ・電話応対しながら情報を確認・入力できる |
CRM (Customer Relationship Management) |
・顧客情報(氏名や連絡先、購買履歴等)を一元管理できる ・チームで顧客情報を共有できる |
PBX (Private Branch eXchanger) |
・外線の接続を管理・制御できる ・内線同士をつなげられる |
FAQシステム (Frequently Asked Questions System) |
・顧客からよくある質問を分析して、適切な回答を事前に用意できる ・顧客がよくある質問を検索できる |
アウトソーシングする
コールセンターの業務をプロにアウトソーシングすることによって、自社のスタッフよりも効率よく問い合わせに対応することが可能です。自社の社員がコールセンターの業務ではなくコア業務に専念できる点も、アウトソーシングするメリットです。
自社でコールセンターに割ける人員などの余裕がない場合には、アウトソーシングを検討してみてはいかがでしょうか。
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4コールセンターの業務を効率化するときの注意点
コールセンターの業務を効率化するときの注意点は、以下の3つがあげられます。
- 応対品質を落とさない
- 定期的に効果を検証する
- 同時に複数の施策を行わない
応対品質を落とさない
コールセンターの業務を効率化する際、効率化を重要視しすぎるあまりに、顧客応対が疎かになるケースが少なくありません。応対品質を落とさずに顧客応対することで顧客満足度が向上し、サービス解約の防止やリピート率向上につながります。
効率化を行う際には、ただ単にスピードを上げるだけでなく、応対品質を上げる施策も導入しましょう。
定期的に効果を検証する
コールセンターの業務を効率化するための施策を導入した際には、定期的に効果検証をして施策の評価や改善を行うことが大切です。施策の効果が出ていない場合は、現場へのヒアリングを行ったうえで原因を分析し、施策内容を改善しましょう。
同時に複数の施策を行わない
問い合わせへの応対業務を効率化する場合、現場のスタッフの混乱を避けるために、同時に複数の施策を行わず、1つずつ丁寧に導入して効果を測定することが重要です。
複数の施策を行いたい場合でも、結果をすぐに出したいと焦らず、現場の状況を見ながら時期をずらした導入を検討しましょう。
5まとめ:コールセンター業務を効率化してコストの削減へ
コールセンターの業務効率化には、KPIを設定・管理したうえで、マニュアル整備や教育制度の見直し、チャットボット・コールセンターシステムの導入などが必要です。
ただし、コールセンターの業務効率化を行うためには人的・金銭的コストが大きくかかるケースもあるため、プロにアウトソーシングすることも検討してみてはいかがでしょうか。
当社では、長年の実績から培った知見とノウハウを凝縮したコールセンターの代行サービスを提供しております。コールセンターに関する業務に課題をお持ちの際には、お気軽にお問い合わせください。
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