One to Oneマーケティングとは、1人1人の顧客ニーズにあわせて適切なコミュニケーションを取るマーケティング手法です。One to Oneマーケティングを行うことで顧客との良好な関係構築がしやすくなり、LTVの向上につながります。
本記事では、One to Oneマーケティングの概要、成功事例や手法、メリット・デメリットなどを紹介します。
マーケティング担当の方はぜひご参考ください。
目次
ECの売上アップに繋がる「多店舗展開」、
メリットや成功の秘訣を具体例と共に解説!
1One to One マーケティングとは
One to Oneマーケティングとは、顧客1人1人の購買傾向からニーズを読み取り、個々に対して最適なコミュニケーションを行う戦略のことです。
顧客全体ではなく1人の顧客を細かく分析し、最適な情報提供をすることで次の購買につなげていきます。
これにより、ファンの創出はもちろんリピーターとしての長期的な関係構築が可能になります。
管理や分析をする個人情報が膨大であり、漏洩すると大きな問題に発展してしまうことから、ツールを導入して分析するケースも増えてきています。
2One to Oneマーケティングの手法
One to Oneマーケティングの手法には、以下の6つがあります。
- リターゲティング広告
- レコメンデーション
- LPO
- One to Oneメール
- Web接客ツール
- MAツール
リターゲティング広告
リターゲティング広告とは、自社のWebサイトへ訪れた顧客を追跡して、別のWebページ・アプリ上で自社広告を表示させる手法です。年齢や性別・地域を限定するだけでなく、訪れたページ内容によって異なる内容の広告を表示することも可能です。
細かな分析を行い、ニーズに適したリターゲティング広告を行うことで、顧客の購買意欲を促進し売上アップにつなげます。
レコメンデーション
レコメンデーションとは、ECサイトなどで「こちらもおすすめ」と紹介される手法です。
以下のような種類があり、顧客のニーズに合わせて多角的にアプローチができます。
種類 | 概要 |
---|---|
ルールベース | 事前に設定されたルールに合わせて商品をおすすめする |
コンテンツベース | 関連性の高いコンテンツを含む商品をおすすめする |
ベイジアンネットワーク | 対象顧客の購買確率の高い商品をおすすめする |
協調フィルタリング | 対象顧客と類似した顧客が購買している商品をおすすめする |
このように、レコメンデーションでは、閲覧履歴や1度カートに入れた商品などに付随させて類似商品をおすすめすることで、顧客の購買意欲を高められます。
LPO
LPOとは、ランディングページ(商品の購入・サービスの申し込みを目的とした特設サイト)を最適化して顧客の購買意欲を高めるための施策です。
以下のような分析を実施し、ページ内容の改善と検証を繰り返します。
- 訪問回数
- 流入経路
- 閲覧者の属性
- アクセス環境
- ページ内で良く見られている箇所
One to Oneメール
One to Oneメールは、顧客1人1人に対して最適化したメールを、適切なタイミングで個別配信をする手法です。そのためにはまず顧客を「新規」「既存」「休眠」などの属性にわけてから、各顧客のニーズを分析して適したシナリオを作成してからメールやDMを送りましょう。
Web接客ツール
Web接客ツールとは、自社のWebサイトに訪れた顧客に対し、ポップアップやチャットボットなどを使って接客する方法です。
- ポップアップ形式
顧客が閲覧中のWebページ内に商品情報やキャンペーン情報などをポップアップ表示する - チャットボット形式
Webページ内にチャット画面を表示し、顧客が入力した質問に対する回答を自動で行う
チャットボットは顧客のタイミングで表示や利用ができますが、ポップアップはサイト閲覧のストレスになる可能性があるため、表示サイズやタイミングの見極めが大切です。
閲覧履歴や購買履歴、アクセス環境などによって表示内容を変えることで、顧客の購買意欲を高める接客ができ、売上アップが期待できます。
MAツール
MAツールとはマーケティングオートメーションツールのことで、One to Oneマーケティング施策の自動化ツールです。商品の購買履歴や閲覧履歴に応じてメールやハガキを送る顧客のリストアップや、店舗周辺にいる顧客のスマートフォンへプッシュ通知を表示するなどの施策を自動で行うことができます。
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メリットや成功の秘訣を具体例と共に解説!
3One to One マーケティングのメリット
One to One マーケティングを行うメリットには以下の3つがあります。
- 顧客との信頼関係を構築できる
- LTVが向上する
- 低コストでアプローチできる
顧客との信頼関係を構築できる
全く興味のない広告やメールを何度も配信してしまうと、顧客側に嫌悪感を抱かれてしまう恐れがあります。One to Oneマーケティングでは、顧客1人1人のニーズに添った適切な情報を配信できるため、信頼関係の構築が可能になります。
LTVが向上する
LTV(顧客生涯価値)とは、1人の顧客が取り引きを始めてから終わりまでの期間を通じて、企業や店舗にもたらす損益を累計算出したマーケティングの成果指標のことです。
One to Oneマーケティングでは、自社サイトやECサイトに訪問をした見込み顧客のうち、ニーズにあわせてアプローチが可能のため、徐々に顧客のロイヤリティが高まり、自社のファンに育て、最終的にLTVの向上につながります。
ただ単に購入を促すだけでなく、LTVが向上して中長期的な売上の安定を期待できる点も大きなメリットです。
低コストでアプローチできる
One to Oneマーケティングでは、顧客ごとに適切なアプローチを行うため、テレビや新聞などのマス広告に使っていた販促コストを抑えることができ、コストパフォーマンスも高くなります。さらにMAツールを導入することで、業務の効率化も期待できます。
4One to One マーケティングのデメリット
One to One マーケティングを行うデメリットには以下の3つがあります。
- シナリオ作成や管理に工数がかかる
- 個人情報の管理を厳格に行う必要がある
- 潜在層へのアプローチに適していない
シナリオ作成や管理に工数がかかる
One to Oneマーケティングでは、顧客個人にあわせてアプローチ方法を考え、シナリオを作る必要があります。
このシナリオ作成や管理をおろそかにし、属性や閲覧履歴が大きく異なる顧客に対して同じアプローチをしてしまっては効果が期待できません。
ターゲットの数だけシナリオの作成や管理に工数がかかりますが、中長期的な売上にもつながるため、通常業務を圧迫しないように、時間を確保できるタイミングでOne to Oneマーケティングを導入しましょう。
個人情報の管理を厳格に行う必要がある
顧客の細かい個人情報を多く扱うため、厳格に管理を行う必要があります。万が一、情報が漏洩してしまうと、顧客だけでなく取引先企業からも信頼を失い、自社の存続にも大きく影響します。適切な管理環境を整え、情報漏洩がないように注意しましょう。
潜在層へのアプローチに適していない
One to Oneマーケティングは、既存顧客のロイヤリティをさらに高めるためのアプローチであり、新規獲得のアプローチには適していません。
既存層への新規獲得には、2ステップマーケティングがおすすめです。
2ステップマーケティングとは、顧客に「商品のお試し」という段階を踏んでから購入をしてもらうマーケティング手法で、購入を迷っている潜在層へのアプローチに適しています。
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メリットや成功の秘訣を具体例と共に解説!
5One to Oneマーケティングの成功事例
One to Oneマーケティングの成功事例には以下の3つがあります。
- ZOZO TOWN
- リンナイ
- DELL
ZOZO TOWN
ZOZO TOWNでは、顧客との関係性を構築するためにCRM部門を設立し、One to Oneマーケティングを成功させました。具体的には、顧客の反応にあわせて通知の頻度や内容を変化させ、カートに入れただけの商品をリマインドするなどの手法を行っています。
さらに購入完了メールにおいては、おすすめ商品のレコメンデーションを行うことで、購買意欲を向上させています。アパレル業界ではレコメンドやリマインドによって商品の購入につながることもあるため、One to Oneマーケティングが重要です。
リンナイ
リンナイでは、メルマガで顧客とのコミュニケーションを取っていましたが、One to Oneマーケティングを行い、自社サイトの登録者の中でも反応が良い顧客のみに対象メルマガを送る方法をとりました。
閲覧履歴などの行動に基づき、顧客ごとにECサイトやオウンドメディアへ誘導を分ける等の施策を行った結果、購買率が10倍以上にアップしています。
DELL
DELLでは、注文前の顧客に対してOne to Oneマーケティングを意識したコミュニケーションを行っています。自社のWebサイトを閲覧した顧客を以下の4段階に分類し、それぞれの段階に適したシナリオを作成しアプローチをしています。
- 発見
- 教育
- 比較
- 購買
段階ごとに適切なアプローチを行い、優良な見込み客へと育てることで、顧客満足度やロイヤリティを高めながら売上を伸ばしています。
6まとめ:One to Oneマーケティングを活用し顧客を増やそう
One to Oneマーケティングとは、顧客1人1人のニーズに合わせて適切なアプローチを行うマーケティング手法で、リピート購入やLTV向上が期待できることがわかりました。また、One to Oneマーケティングは他の施策に比べると、比較的低コストで顧客へアプローチできることもメリットです。
費用対効果の高いOne to Oneマーケティングの活用を、検討してみてはいかがでしょうか。
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