ドロップシッピングの仕組みとは？メリット・デメリット、始め方を解説

ドロップシッピングとは、在庫の仕入れや保管をすることなく販売できるネット通販の運営手法で、注文が入ったタイミングでメーカーから直接商品が発送される仕組みです。

在庫を抱える必要がないため、在庫リスクが発生しないほか、梱包や発送手続きなどもメーカーに委託できるため、コストを抑えて運営できるメリットがあります。

ドロップシッピングには、以下の３つの販売方法があります。

通常のECサイト運営との違い

通常のECサイト運営では、販売商品を自社で仕入れて保管した上で、注文が入ったタイミングで発送します。以下のように、ドロップシッピングと通常のECサイト運営の大きな違いは、商品の仕入れ・保管・発送作業の有無です。

アフィリエイトとの違い

よく混同されがちなアフィリエイトは、商品の紹介や宣伝のみを自身で管理するウェブページで行い、成果に対して報酬が発生する仕組みです。主に以下のような違いがあります。

ドロップシッピングのメリットは以下の３点です。

• 在庫リスクがない
• 梱包・発送作業が不要
• 場所を選ばず始めやすい

在庫リスクがない

ドロップシッピングは商品の保管をしないため「在庫不足による機会損失」「過剰在庫による不良在庫・在庫処分の発生」のような在庫リスクは発生しません。また、需要予測をして適正在庫を維持する運用の手間がかからない点も、ドロップシッピングの大きなメリットです。

梱包・発送作業が不要

ドロップシッピングでは注文が入ったタイミングで、メーカー側が梱包・発送作業を行うため、梱包資材や作業スペース、人員の確保をする手間やコストも抑えることが可能です。

そのため、梱包・発送にかかる経費が煩雑にならない点もメリットで、事務作業の簡易化につながります。このように、自社にリソースがなくてもドロップシッピングで商品の販売ができる点がメリットです。

場所を選ばず始めやすい

ドロップシッピングは、基本的にパソコン１台とネットワーク環境さえあればオンラインで完結できるため、場所を選ばず簡単に始められる点がメリットです。

ドロップシッピングのデメリットは以下の３点です。

• 利益を上げることが難しい
• 競合が多い
• トラブルの把握が難しい

利益を上げることが難しい

ドロップシッピングは、メーカーからの提供商品に限られるため、販売商品が他のショップと同じになると、結果として価格競争になり、利益を上げることが難しい点がデメリットです。

また、在庫を持たないため「商品の大量購入による安い単価の仕入れ」ができず、利益率を上げることが難しいと言われています。ドロップシッピングで利益を出すためには、価格競争が発生する中で、顧客を集客できるマーケティング力が求められます。

競合が多い

ドロップシッピングでは同じ商品を販売する競合が多い点がデメリットであり、限られた顧客の取り合いが発生し、集客が難しく売上が上がらないケースがあります。
時には大手ネットショップが競合になり、なかなか商品が売れないケースもあります。

そのため、競合よりも商品の価値をより分かりやすく、魅力的に訴求できないといけません。まずは販売予定の商品について、既に競合他社で扱っていないかどうか、事前に確認した上で販売戦略を考えることが大切です。

トラブルの把握が難しい

DSP（ドロップシッピング・サービス・プロバイダ）や専用サイトを利用してドロップシッピングを始める場合、メーカーやドロップシッピングの運営会社が梱包や発送作業を行いますが、トラブルが発生した場合に、何処で・何が原因で・どのような問題が起きたのかを把握することが難しく、今後の対策を考えにくいことがデメリットです。

場合によっては、トラブル発生時のメーカー側の対応が遅れ、発送が遅延してしまうことで、売上や顧客満足度の低下につながる恐れもあります。発送の委託先に影響してしまう点を考慮したうえで、ドロップシッピングの導入を検討する必要があります。

ドロップシッピングの始め方は、以下の３通りがあげられます。

• DSP（ドロップシッピング・サービス・プロバイダ）を利用する
• ドロップシッピングサイトを利用する
• メーカーと直接交渉し販売契約を締結する

DSP（ドロップシッピング・サービス・プロバイダ）を利用する

DSP（ドロップシッピング・サービス・プロバイダ）とは、ドロップシッピングサービスを提供する仲介業者のことをいいます。

DSPに名前・住所・メールアドレスなどの情報を登録することで、DSPが提供するさまざまな商品の中から希望の商品を選択し、自社で販売することができるようになります。取り扱いできる商品の傾向はDSPによって異なるため、目的に合ったをサービスを選定しましょう。

ドロップシッピングサイトを利用する

自社の販売サイトを用意した上で、ドロップシッピングサイトのリストから希望の商品を選んで販売することも可能です。商品の注文が入ったタイミングで、ドロップシッピングサイトに注文情報を伝えることで、梱包・発送作業まですべて対応してもらえます。

さらに、販売サイトに掲載する商品画像や商品説明文が用意されているケースもあるため、ドロップシッピングを開始するハードルも下がります。

メーカーと直接交渉し販売契約を締結する

販売したい商品を扱っているメーカーと直接交渉して販売契約を締結することで、ドロップシッピングを開始することができます。場合によっては、有利な条件での契約締結や、DSP・ドロップシッピングサイトでは取り扱っていない商品を販売できるなどの可能性もあります。

ただしドロップシッピングの販売実績がない場合は、交渉自体が難しいことがあるため、確認が必要です。

ドロップシッピングの注意点は、以下の４点があげられます。

• 集客が難航し、売上が伸びないケースがある
• 集客に、広告費や人件費がかかる
• 人気商品は在庫切れになりやすいため、発送遅延が起こる可能性がある
• 商品の入れ替わりが多いため、掲載商品の情報を定期的に変更する必要がある

ドロップシッピングでは競合が同一商品を扱っていることがあるため、集客のために出稿する広告費が高騰したりなどで、利益が縮小する可能性もあります。

また、人気商品は在庫切れになりやすく、すぐにメーカーから発送できないケースもあります。メーカーの在庫状況をリアルタイムで把握することは難しく、トラブルが発生時には、迅速に消費者やメーカーとやり取りしなければなりません。

また、DSPやドロップシッピングサイトでは商品の入れ替わりが激しいため、売上や利益が安定しない恐れがあります。そのため、（自社 販売サイト側の）掲載商品情報を定期的に見直し、変更時は迅速な対応が必要になります。

ドロップシッピングとは、自社で在庫を持たずに、注文が入ったタイミングでメーカーから直接発送される仕組みです。仕入れが発生しないだけでなく、保管・梱包・発送に関わるスペースや業務が不要なため、場所を選ばず簡単に始めやすい点もメリットです。

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