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コールセンターの応答率とは?計算方法や平均的な目安、改善方法を解説

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コールセンターの応答率とは?計算/改善方法

コールセンターの応答率とは、電話のつながりやすさを表す指標の1つです。応答率を適切な数値に保つことで、SL(サービスレベル)の向上が期待できます。

本記事では、コールセンターの応答率の概要や計算方法、平均的な目安や改善方法を解説します。応答率を適切に管理して、SLの向上を目指しましょう。

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コールセンターの応答率とは

コールセンターの応答率とは、コールセンターへのすべての入電数に対して応対できたコール数の割合です。電話のつながりやすさを表す指標として用い、SL(サービスレベル)の向上に役立てます。

ただし、応答率は次のようなコールを区別できないため、顧客にとっての「つながりやすさ」を測ることはできません。

  • 入電後即座に応答したコール
  • 入電後1分経過してから応答したコール

こうした特性から、応答率はSLをKPIとしたときの副次的な指標として扱います。SLを改善するために、応答率を活用して現状を把握しましょう。

コールセンターの応答率の計算方法

【応答率の計算式】
応答率 =(対応できたコール数 ÷ すべての入電数)× 100

コールセンター応答率の計算(イメージ)

たとえば1,200件の入電数のうち、対応できたコール数が800件だった場合、応答率は66%となります。

応答率の目標を90%としている場合、1,200件に対して1,080件の応対が必要です。

計算時はACDコールログを活用して入電数と応対件数を取得します。コールセンターは1日の中でも時間帯によって入電数が変わるため「決まった時間帯に1時間単位で算出すること」が重要です。

放棄率の計算式

応答率と同じように算出できる指標として、放棄率があります。

【放棄率の計算式】
放棄率 =(放棄したコール数 ÷ すべての入電数)× 100

放棄率とは、コールセンターへのすべての入電数に対して、応対できなかったコール数の割合です。放棄率が高いと「電話がつながりにくい」と判断します。応答率と放棄率は対義の意味を持ちますが、どちらも「電話のつながりやすさ」を示す指標です。

コールセンターの応答率の目安

コールセンターの応答率は、80%以上が目安です。日本のコールセンターの多くは、理想に近い90%以上を応答率の目標数値として掲げています。

応答率 コールセンターの状態
95%以上 理想的な状態で電話がつながりやすい
維持に努める
90~94% 理想に近い状態で電話がつながりやすい
日本の多くのコールセンターが目標値に設定している
80~89% 適正な状態
電話がつながりにくいと感じる顧客が出始める
50~79% 電話がつながりにくい状態
早期改善が必要になる
50%未満 極度に電話がつながりにくい状態
顧客からのクレームが増える
即時改善が必要になる

ただしコールセンター業態や規模によって、目標とすべき数値は変わるので注意しましょう。たとえば、病院に関連するコールセンターは人命に関わることから、ほぼ100%の応答率が求められます。

これに対しECショップの場合は、85~90%の目標値で十分です。応答率の改善にはオペレーター増員などのコストが発生するため、予算や放棄呼による損失もふまえて目標値を決定しましょう。

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コールセンターの応答率の低下によって生じる問題

コールセンターの応答率が低下すると、次のような問題が発生します。

コールセンターの応答率低下の問題(イメージ)
  • 顧客満足度の低下
  • 新規受注率の低下

顧客満足度の低下

応答率が低下すると顧客の不満やクレームが増え、コールセンターに対する顧客満足度が低下します。顧客は商品やサービスに対する疑問が解消されずフラストレーションがたまった状態で電話を切ることになり、商品やサービスだけでなく提供元や企業イメージも下がりかねません。

新規受注率の低下

応答率が低下すると商品やサービスに対する顧客側の興味も低下してしまい、新規獲得の機会を失う可能性があります。

コールセンター応対によって商品やサービス、提供元のイメージアップができると、その他の商品やサービスの受注にもつながりやすくなります。しかし電話がつながらないと、そのような顧客を逃してしまうのです。

コールセンターの応答率が低下する原因

コールセンターの応答率の低下を招く原因には、以下の3つが挙げられます。

コールセンターの応答率低下(イメージ)
  • 急な入電数の増加
  • 人員不足
  • 応対時間が不適切

急な入電数の増加

時間帯や繁忙期で急激に入電数が増加すると、応答率低下の可能性が高まります。事前に入電数の増加を予測できる場合は、一時的にオペレーターを増やすか、外部委託することで対応します。

急激な増加に対応するためには「コール予測」が重要です。定期的に入電数と応答率のデータを取得し、適切に応答率が保たれている時期と、低下する時期を把握しておきましょう。毎月・毎年のデータから、翌月・翌年のコール予測が可能になります。

また、コール予測の結果は必ず振り返りを実施し、予測と実際の入電数の差分を計測・分析を行います。このようにコール予測を行うことで、急な入電数の増加を予測し対応することができるようになります。

人員不足

オペレーターの人員が不足していると応答率は低下します。

オペレーターの離職率や欠勤率が高い場合は環境整備が必要です。ストレスがたまりやすい業務である以上、オペレーターの負担を減らせるような業務効率化やアウトソーシングの活用を進めましょう。

特に、小規模事業者やEC通販でオペレーターの人員不足に悩んでいる場合は、業務を外部に一括委託することも検討してみましょう。

応対時間が不適切

1件あたりの応対時間が長すぎると応答率の低下を招きます。ACDコールログから処理時間を取得し、分析しましょう。処理時間が長いことがわかったら、短くするための施策を打ちます。

<施策例>

  • 自動化ツールを活用し、オペレーターの後処理業務を削減する
  • マニュアルやトークスクリプトを改善し、応対をスムーズにする
  • オペレーターの教育や研修を増やし、質を高める

処理時間の削減は、自動化ツールや環境整備によって可能です。これに対しオペレーターが未熟で処理に時間がかかる場合は、改善に時間が必要です。オペレーターの質に差が出ないように、日頃から教育や研修を充実させておきましょう。

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コールセンターの応答率を改善する方法

コールセンターの応答率を改善する方法には、以下の3つが挙げられます。

コールセンターの応答率改善(イメージ)
  • オペレーターの増員
  • 業務効率化を図る
  • アウトソーシングの活用

オペレーターの増員

オペレーターの増員によって、放棄呼を減らし応答率を改善することができます。応答率を1%上げるためには、オペレーターの増員が1人分必要だといわれています。増員した分、人件費がかかってしまうため、予算に応じて進めましょう。

最近ではオペレーターのテレワーク化も進んでいます。テレワークを活用することで、オフィスの維持費やオペレーターの交通費などのランニングコストを抑えながら増員することが可能です。

業務効率化を図る

オペレーターの業務効率化を図ることで、応答率の改善を期待できます。
具体的には、次のような業務効率化の例があります。

<業務効率化の一例>

  • 顧客応対中のパソコン処理業務を簡単にする、ツール・システムを導入する
  • トークスクリプト・マニュアルを更新し、無駄を省く
  • 後処理時間短縮のため、自動化ツール・システムを活用する
  • 電話だけでなく、FAQページやチャットボットを追加する
  • 入電の自動振り分けを行う
  • IVR(自動音声応答システム)を活用する

コールセンターでは多くの場合、CRMやCTIなどのシステムが導入されています。しかし使いこなせていない、あるいは機能が不足しているケースも少なくありません。自社の環境を見直して効率化できる部分を探してみましょう。

アウトソーシングの活用

コールセンターのアウトソーシング内容は、オペレーターの人員補充や管理業務の委託など、ニーズに合わせてさまざまです。アウトソーシングすることで自社で不足しているリソースを補うことができるため、応答率を改善することにつながるでしょう。

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コールセンターの応答率の適切な目標設定方法

コールセンターの応答率の適切な目標設定を行うためには、次の2点に留意しましょう。

コールセンター応答率の目標設定(イメージ)
  • 正確な応答率を出す
  • 他の指標・KPIと照らし合わせる

正確な応答率を出す

正確な応答率を算出するためには、稼働中のコールセンターにおいて、すべての入電数と対応件数を取得する必要があります。これが難しい場合は、決まった時間帯や曜日にデータを取得するようにしましょう。さらに、次のようなコールを除外することで、より正確な応答率を算出することができます。

  • かけ直しが発生した応対中の電話
  • 間違い電話
  • コールセンターに直接関係のない電話

正確な応答率を算出して、KPI達成に向けて改善を進めましょう。

他の指標・KPIと照らし合わせる

応答率は、稼働率や占有率、放棄率といった他の指標と照らし合わせることで、電話のつながりやすさ以外の業務改善ポイントを見つけるのに役立ちます。さらに、SL(サービスレベル)に対して副次的指標として用いることも可能です。

応答率そのものをKPIとして設定するのではなく、SLといったKPIに対しての、サブKPIとして活用しましょう。そうすることで、KPI達成へのプロセスを視覚化することができます。

まとめ:コールセンターの適切な応答率管理でサービス
レベルの向上へ

コールセンターの応答率は、電話のつながりやすさを示す指標の1つです。
SL(サービスレベル)をKPIとしたときに、副次的な指標やサブKPIとして扱うのが一般的です。他の指標と合わせて、KPI達成のためのプロセスとして活用しましょう。

応答率の低下は、顧客満足度や新規受注率の低下を招くため注意が必要です。応答率の現状を把握し、適切な目標を設定して改善しましょう。

当社のコールセンター代行サービスでは、応答率の改善から繁忙期などのスポット利用も可能です。応答率の管理に課題をお持ちの際には、ぜひ一度お問い合わせください。

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