化粧品の流通加工とは、商品を市場に出すための下準備のことで、小分け包装やシール貼りから梱包・ラッピングなどの作業も含まれます。商品をより良い形で届けるためには、ただ発送するだけでなく、見栄えや利便性を高めることが重要です。
本記事では、化粧品の流通加工のメリット・デメリットについて詳しく紹介します。
化粧品を扱う際には特に注意すべき点も紹介しますので、アウトソーシングをご検討の際にはぜひお役立てください。
目次
物流アウトソーシングの
検討時期やポイントを解説!
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1化粧品の流通加工とは
化粧品の流通加工とは、化粧品の製造から消費者に届くまでの過程で、商品を加工する作業のことです。具体的には組み立て・個別包装・値付け・シール貼りなどで、作業の種類は多岐にわたります。
単に流通のための加工ではなく、商品価値を高める目的が含まれていることもあり、以下のように分類できます。
分類 | 概要 | 具体例 |
---|---|---|
生産加工 | 材料や部品を商品化するための加工 | ・梱包のための箱を組み立てる作業 ・商品を箱に詰める作業 |
販促加工 | 商品の販売を促進するための加工 | ・商品をラッピングする作業 ・商品にラベルを貼る作業 |
製造または仕入れした化粧品を、箱詰めしたり、ギフト用にラッピングする作業全般が化粧品の流通加工であり、商品を販売するために必要不可欠な工程です。
化粧品のアセンブリとは
アセンブリは、直訳すると「組み立て」や「集める」などの意味があります。具体的には、菓子箱や化粧箱、段ボールなどの組み立てや、複数の商品を1つの箱や袋にまとめる作業などが該当します。
上記以外にも、おまけの同梱やダイレクトメールの送付手配などもアセンブリの一種です。アセンブリの認識は企業によって多少異なるケースがあるため、作業を依頼する際は、詳しい作業内容を確認しておく必要があるでしょう。
2化粧品の流通加工のメリット
化粧品の流通加工のメリットには、以下の2点があげられます。
- 商品の品質保持につながる
- 商品の利便性がアップする
商品の品質保持につながる
流通加工の際に1点ずつ目視でチェックする作業を行うことで、品質に問題のない商品を安定して出荷できるようになります。
海外から仕入れた化粧品は、パッケージ崩れや箱の汚れなどがよく見られます。アソートやラッピング、梱包の作業時に、こうした不良品を発見できる点は化粧品流通加工のメリットの1つです。
商品の利便性がアップする
店舗で販売する化粧品は、出荷前に加工することで商品の利便性がアップします。
一例として、シャンプーとコンディショナーのセットを1つのパッケージに入れたり、化粧品の外箱にサンプル品を貼り付けたりする作業のことです。このように流通時に加工を行うことによって、店舗などで販売する際の作業を減らすことができます。
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3化粧品の流通加工のデメリット
化粧品の流通加工のデメリットは、以下の2点があげられます。
- コストがかかる
- 物流品質が低下する可能性も
コストがかかる
化粧品の流通加工をアウトソーシングするデメリットは、コストがかかる点です。
加工に関するコストがかかりすぎてしまうと、自社の利益に影響します。それにより、値上げを検討することになると本末転倒になるため、コストと品質、利便性のバランスはしっかり検討しなければいけません。
物流品質が低下する可能性も
メリットとして、目視や手作業チェックにより品質が安定すると前述しましたが、作業方法や作業環境によっては、人的ミスが多発する可能性がある点には注意が必要です。
複雑な指示内容になると正しく作業が行われなかったり、作業内容が丁寧ではないなどのトラブルが起こることも、想定しておく必要があります。
4化粧品の流通加工をアウトソーシングするメリット
化粧品の流通加工をアウトソーシングするメリットは、以下の3つです。
- スタッフの負担が軽減する
- 梱包資材の準備が不要になる
- コアビジネスに専念できる
スタッフの負担が軽減する
化粧品の流通加工をアウトソーシングすることで、自社スタッフの負担が軽減できます。特に年末年始やクリスマス、母の日など、時期が限定される業務については、アウトソーシングを利用すると効果が高いといえます。
一時的な注文数の増加やギフト需要の増加は、特定の期間に集中して発生する作業になるため、このような作業をアウトソーシングすることで、自社のリソース不足をカバーできるようになり、負担も軽減できます。
梱包資材の準備が不要になる
流通加工をアウトソーシングすると、梱包資材の準備も一緒に委託することが可能です。
自社で梱包資材や保管場所を用意する必要がないため、都度、資材を選定する手間を省くことができます。
また、アウトソーシングする業者によっては、自社で発注するよりも安価に資材の提供を受けられる場合もあります。
コアビジネスに専念できる
流通加工には時間も手間もかかるため、アウトソーシングすることで自社スタッフの業務負担を軽減でき、本来注力すべき商品開発や販促企画などのコアビジネスに取り組む時間を増やすことができます。
自社スタッフにしかできないことを優先して取り組むことで、働くスタッフにとっても、より良い職場環境になる可能性もあります。
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5化粧品の流通加工の依頼先の選び方
化粧品の流通加工をアウトソーシングする業者の選び方について、ポイントを解説します。
- 生産ロット単位での在庫管理が可能か
- 複雑な販促同梱物に対応可能か
- オリジナル資材の提案があるか
生産ロット単位での在庫管理が可能か
化粧品の流通加工では、生産ロット単位の在庫管理ができることが重要です。
万が一、商品に不具合があった場合、ロット別の管理ができていないと対応範囲が非常に大きくなるためです。業者選びの際には、トレーサビリティ(※) が確立できているかどうかを確認することが必要です。
※トレーサビリティとは、商品において「いつ製造されて/どこの倉庫から誰に届けられて/いくつ在庫が残っているのか」が追跡可能な状態のこと
複雑な販促同梱物に対応可能か
流通加工をアウトソーシングする際には、同梱できる販促物の範囲も確認しておきましょう。
化粧品販売では、より多くの消費者に響く商品展開を行う傾向があり、多くのバリエーションを用意していることがほとんどです。例えば、以下のような施策と組み合わせがあった際に、出荷業務が非常に複雑になることが予想されます。
自社商品の組み合わせ(例) | 希望する施策(例) |
---|---|
・トライアルセット ・初回限定セット ・定期セット ・まとめ買いセット |
・ノベルティの同梱 ・チラシの同梱 ・割引クーポンの付与 ・商品に付けるメッセージカードの作成と同梱 ・キャンペーンギフトの同梱 |
<想定される複雑な出荷業務>
- トライアルセットにノベルティを付ける
- 定期セットに割引クーポンを付ける
- まとめ買いセットにキャンペーンギフトを付ける
このように、いくつもの同梱の組み合わせが発生するケースにも対応可能かどうか、事前に確認しておきましょう。チラシやノベルティなどの販促物を同梱できると、リピート率の増加やアップセルにつながる可能性が高まります。
オリジナル資材の提案があるか
化粧品の流通加工では、加工を施した商品の見た目の美しさや、ブランドイメージを向上させるデザインのオリジナリティも重要です。
代行作業だけでなく、梱包資材や新しいセット品の提案まで対応できる業者にアウトソーシングできると、自社商品のブランドイメージをさらに高めることができるでしょう。また、梱包方法や資材を工夫して発送サイズを抑えることで、ポスト投函が可能になりコストを削減できる例もあります。
6化粧品の流通加工をアウトソーシングする際の注意点
アウトソーシングする加工内容によって、「化粧品製造加工許可(包装・表示・保管)」または「医薬部外品製造業許可」を所持している業者を選ぶ必要があります。
化粧品販売では、容器または外箱に販売元や成分を示す必要があるため、これらの加工に対応できる資格と専用設備が必要です。必要な資格と設備を所有した業者にアウトソーシングできると、商品のラベル貼りや、輸入商品のパッケージを日本語に変える作業も可能になります。
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7まとめ:化粧品の流通加工はアウトソーシングがおすすめ
化粧品の流通加工をアウトソーシングすることで、業務効率化だけでなく、結果的に売上アップに繋げることも可能です。商品のセット組や箱の組み立て作業を代行するだけでなく、商品のブランドイメージの向上にも協力的な業者を選ぶことがポイントです。
当社は物流代行サービスの専門家として、化粧品の在庫管理・発送業務だけでなく、流通加工業務についても一括してお任せいただけますので、化粧品の物流・流通加工のアウトソーシングをご検討の際には、お気軽にご相談ください。
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