オリコンとは、折りたたみコンテナの略称であり、商品の保管や配送に使用されるコンテナボックスのことを指します。オリコンは段ボールとは異なり、何度でも再利用ができ、さらにオリコンの種類によっては段積み状態でも中身を確認できることが特長です。
本記事では、オリコンの種類やメリット、選び方を紹介します。
目次
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1オリコン(折りたたみコンテナ)とは
オリコンとは、折りたたみコンテナの略称で、折りたたみや組み立てが簡単にできる構造のコンテナを指します。特に多品種小ロットの商品の収納や、配送などに使われます。
オリコンは組み立てるだけですぐに使用可能であり、パレットに段積みして運ぶこともできるため、フォークリフトやハンドリフトとの併用で、作業効率向上につながります。
また、未使用時には折りたたんで保管できるため、広い保管スペースを確保できない倉庫や店舗でも重宝されます。ただし、同じサイズの段ボールと比較すると収納可能な容量が小さくなるため、車両への積載率が下がるなどの注意が必要ですが、何度でも繰り返し利用できるという特長もあります。
2オリコンの種類
オリコンには以下の4種類があり、用途によって使い分けることでメリットを発揮できます。
- オリコン
- マドコン
- サンクレットオリコン(蓋つきオリコン)
- オリコンラック(扉付きオリコン)
オリコン
折りたたみコンテナの代表的なものであり、もっとも一般的なオリコンです。折りたたむことで、オリコンの容積が1/4程度に抑えられるため、未使用時の保管スペースや保管コストを削減できます。
一般的なオリコンは、段ボールと同じように中身は見えず、側面から取り出すこともできません。そのため、段積み状態でも中身を確認したい場合や、側面から商品を取り出したい場合は、違う種類のオリコンの活用がおすすめです。
マドコン
マドコンとは、側面に透明の窓がついたタイプのオリコンです。
窓の周りはフレームがついているため、強度の心配はありません。積み重ねて保管していても、窓から中身を確認できるため、ピッキングミスや誤出荷を軽減することができます。
サンクレットオリコン(蓋つきオリコン)
サンクレットオリコンは蓋がついていることが特徴で、蓋付きオリコンとも呼ばれます。蓋がついていることで中身の飛び出しを防ぐため、安全な運搬が可能になります。
蓋には以下のような種類がありますので、保管する商品や運搬時のことを想定して、適切な種類を選択しましょう。
- 波形状に組み合うように噛み合う蓋
- スライドするだけでロックできる蓋
- パッキンによって隙間が生まれない蓋
オリコンラック(扉付きオリコン)
オリコンラックは、透明な側面に扉がついている種類のオリコンです。積み重ねて保管している状態でも中身の確認や、側面から商品を取り出すことができます。扉には以下のような種類がありますので、倉庫スペースや保管する商品にあわせて、適切な種類を選択しましょう。
- 長辺が開くタイプ
- 扉が外れるタイプ
- 中折れ回転タイプ
物流業界の2024年問題で、
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3オリコンを利用するメリット
商品の保管や配送にオリコンを利用するメリットには、以下の4つがあります。
- 未使用時に折りたたみが可能
- 耐久性に優れている
- 再利用ができる
- 開封せずに中を確認できる
未使用時に折りたたみが可能
オリコンは未使用時に折りたたんで保管できるため、保管スペースを節約することが可能です。一般的なオリコンでは、折りたたむことで容積を1/4に抑えることができます。多くの商品を扱っている倉庫や、保管スペースが少ない倉庫の場合は、保管効率の改善にもつながります。
耐久性に優れている
オリコンは耐久性に優れているため、山積みをしても段ボールのように歪んでしまう心配はありません。そのため、商品を破損させる可能性を抑えつつ、段積みした状態で移動させることも可能です。
また、段ボールは冷蔵庫や冷凍庫に入れたときに湿気や結露で耐久性が落ちてしまいますが、オリコンは湿気や結露にも強く、耐久性が落ちないというメリットもあります。
再利用ができる
段ボールは再利用が難しく、毎回ゴミが発生してしまいます。その点、オリコンはポリプロピレンという素材を使って作られており、丈夫で何度でも繰り返し利用できるため、環境への配慮も可能です。
開封せずに中を確認できる
段ボールの場合、中身を確認するためにはまず箱を開封し、確認後には再梱包が必要です。
その点、側面が透明になっているマドコンや、扉付きのオリコンラックで商品を保管することで、開梱や再梱包の手間を削減できるだけでなく、段積みで保管している状態でも中身を確認できるため、商品誤認を減らすことも可能です。
4オリコンを利用するデメリット
商品の保管や配送にオリコンを利用する際のデメリットには、以下の4つがあります。
- 導入には初期費用が発生する
- 配送後に回収が必要になる
- 保管スペースが必要になる
- メンテナンスが発生する
導入には初期費用が発生する
オリコンは、段ボールと比べると単価が高く、導入時には初期費用が発生します。
購入数によって差はありますが、段ボールが1箱5円以内で購入できるのに対し、オリコンは1つあたり1,000円前後の費用がかかります。
極力費用を抑えたい場合は、オリコンを利用する商品と利用しない商品を明確に切り分けて、オリコンの購入数を調整しましょう。
配送後に回収が必要になる
オリコンは、保管だけでなく配送時にも利用できますが、再利用するために毎回、回収をする必要があります。回収の手間やコストがかかることは、理解しておきましょう。
保管スペースが必要になる
オリコンを利用しないときは、折りたたみ重ねて保管しておくことができますが、畳んだ段ボールと比べると保管時のスペースは増えてしまいます。
オリコンを折りたたむと75~90mm、段ボールを折りたたむと8~20mmで、5~10倍程の差があります。そのため、オリコンを導入する際には、保管スペースの確保も必要です。
メンテナンスが発生する
オリコンは、耐久性が高く、商品の保管や配送に何度でも利用できますが、繰り返して利用するという性質上、破損や汚損の発生があります。
これをそのままにしておくと、商品が傷ついたり汚れが付着してしまう可能性があるため、破損確認をしたり、汚れを見つけたら落とす、などの定期的なメンテナンスが必要になります。
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5オリコンの選び方
オリコンを選ぶ際のポイントは、以下の5点です。
- サイズ
- 種類
- 耐荷重
- 積み重ね段数
- 保冷効果
サイズ
オリコンは、10リットル程度の小容量タイプから、75リットルの大容量タイプまで幅広いサイズで販売されています。そのため、オリコン利用時には保管する商品のサイズをはじめ、保管場所の幅や奥行き、高さなども考慮しておかないとオリコンを収納できない可能性があります。
商品をまとめて入れておけばいいという考えで大きいサイズにしてしまうと、商品の積み下ろしや移動が大変になりますので、取り扱う商品にあわせて、大きなオリコンでまとめて保管するのか、小さなオリコンで商品ごとに小分けするのかなどを決めてからオリコンを購入しましょう。
種類
オリコンには、前述のとおり以下のような種類があるため、用途別に選びましょう。
- オリコン
- マドコン
- サンクレットオリコン(蓋つきオリコン)
- オリコンラック(扉付きオリコン)
例えば、オリコンを段積みで保管するなら、段積み状態でも中身を確認できるマドコンやオリコンラックが適しています。商品移動時や配送時に中身が出てくることを防止するなら、蓋つきタイプのサンクレットオリコンが適しています。
耐荷重
オリコンに大量の商品や大型商品を保管する場合、耐荷重から選ぶ方法がおすすめです。
オリコンは頑丈で段積みも可能ですが、オリコンの種類によって最大積載重量や耐荷重が異なります。耐荷重を超えて利用すると劣化や破損につながる恐れがあります。最悪の場合、移動中にオリコンが破損し、中身の商品を損傷させてしまう可能性もあります。
商品を守るためにも保管商品や利用用途に合わせて耐荷重を考慮して選ぶ必要があります。
積み重ね段数
基本的に積み重ねが可能なオリコンですが、種類によって積み重ね段数が制限されている場合もあります。また、種類や製造メーカーが異なると積み重ねができない場合もあります。
そのため、オリコンを積み重ねて利用したい場合は、積み重ね段数を確認した上で同じ種類、同じ製造メーカーのオリコンを購入する必要があります。
保冷効果
オリコンの中には、内部に断熱材として発泡ウレタンの充填や発泡ポリプロピレンを組み付けることで、商品の保冷が可能なタイプがあります。
保冷効果のあるオリコンは、結露が溜まりにくいメリットがあるため、食品に限らず利用目的に合わせて選びましょう。あらかじめ、保冷の持続時間なども確認する必要があります。
6まとめ:オリコン(折りたたみコンテナ)で保管効率向上へ
オリコンとは、商品の保管や配送に利用でき、折りたたみや組み立てが簡単にできるコンテナボックスです。オリコンには、蓋がついているタイプや側面が透明になっているタイプがあり、商品の落下を防止したり、開梱せずに中身が確認ができるなどのメリットがあります。
段ボールよりも耐久性が高いため、縦積み保管に向いており、再利用も可能です。
ただし、導入コストや回収業務の発生、定期的なメンテナンスも必要になるため、メリット・デメリットを理解した上で導入を検討しましょう。
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