SKUとは在庫管理に必要な単位のことで、さまざまな企業で導入されています。そのなかでも1つの商品に対して多くのバリエーションがあるアパレル事業においては、SKUでの在庫管理が欠かせません。
本記事ではアパレル業界におけるSKU導入のメリット・デメリットや、SKUの付け方についても解説します。SKUを上手く活用することによって多くの業務が効率化できるため、在庫管理の担当者やアパレルECを運営する担当者の方はぜひご覧ください。
目次
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1SKUとは
SKUとは、Stock Keeping Unit(ストック・キーピング・ユニット)の頭文字で、在庫管理において最小の品目数を数える単位のことです。サイズや色などをSKUで区別して在庫管理をすることによって、同じ商品内でもそれぞれの在庫数が瞬時に分かるようになります。
小売りやアパレルなど、商品数や種類が多い商材を取り扱う際に非常に便利なシステムであり、数多くの企業が取り入れています。
アパレル業界においてSKUでの在庫管理が必要な理由
アパレル業界は季節ごとに多くの商品が入れ変わる点が特徴です。
具体的な例として、衣類の年間総出荷数は約81万トンとなっており、枚数に換算した場合は約24億枚にものぼります。
(参考:日本アパレル・ファッション産業協会/ファッション産業のあゆみと未来)
これほどの数の商品を流通させるには適切な在庫管理が必要であり、その際に役立つのがSKUを用いた管理体制です。余剰在庫を抱えやすいアパレル業界では、SKUによる在庫管理は非常に重要であり、特に多くの商品数を抱えるブランドやEC通販事業者にとって、導入は必要不可欠といえます。
FKUとの違い
FKUとはFace Keeping Unit(フェイス・キーピング・ユニット)の略で、店舗の売り場に出す商品の単位のことです。
アパレル業界の店舗でよく使われる用語であり、ディスプレイを考える際に役立つ指標のひとつです。SKUはバックヤード(物流の段階)で在庫を管理する際に使用する言葉で、FKUは店頭でのみ使われる言葉という点が両者の違いです。
JANコードとの違い
JAN(ジャン)コードは「Japanese Article Number」の略称であり、0~9の13桁の数字で構成されている世界共通のコードです。識別番号として各商品に割り振られているJANコードはバーコードに組み込まれており、スキャナでその情報が読み込めるようになっています。
SKUはアルファベットと数字を用いて、各社が自由に決めることができるのに対して、JANコードは製造された時点で各商品に設定され出荷されます。両者の番号付けのルールは異なりますが、JANコードの番号をSKUの管理番号として併用することは可能です。
2業種別:SKU総数の目安
各業界の総SKU数は以下のとおりです。商品の点数が多くなるほど在庫管理のコストと時間が必要であることは明白で、適切な対策を考えなければなりません。
下記のように、アパレルを含む百貨店のSKU総数は約100万となっており、他業種と比べても膨大な商品数であることが分かります。
(参考:小売主導型食品流通の進化とサプライチェーンの現段階)
業種 | 総SKU数 |
---|---|
百貨店 | 約100万SKU |
総合スーパー(GMS) | 約10万SKU |
一般スーパー(SM) | 約1万SKU |
コンビニエンスストア(CVS) | 約3千SKU |
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3SKUを導入するメリット
SKUを導入することで得られる代表的なメリットは以下の2点です。
- 多数の品目に対応可能
- 商品陳列時の効率化
多数の品目に対応可能
商品の数と種類が多くなると「在庫を正確に管理できない」「誤出荷が発生しやすい」などの問題が生じます。このような場合、SKUを導入することによって在庫状況が把握しやすくなり人的ミスを軽減させることができます。今後、品揃えを増やす可能性がある場合は、早めの導入を検討しましょう。
商品陳列時の効率化
実店舗がある企業にとって商品の陳列は売上げを左右する重要な業務であり、限られた面積の売り場をどのように展開していくかを考えることは、販売員の日々の悩みの種となっています。SKUを導入することによって自社商品の総数が瞬時に把握できるため、最適な売り場展開の計画を立てることができます。
4SKUを導入するデメリット
SKUを導入することで得られる代表的なデメリットは以下の2点です。
- 導入時のコスト負担
- 導入時の事務的負担
導入時のコスト負担
SKU導入時には「在庫管理システム」「バーコードリーダー」「POSレジ」などを準備する初期費用・運営費用が必要になります。しかし、人的なミスが減り、業務が効率化されることで人件費の削減につながる可能性は高く、長期的な目線で考えるとトータルコストが削減できるかもしれません。
導入時の事務的負担
SKUの運用ルールを決めるために、多くの時間が必要になるため、運用体制がしっかり整うまでのスケジュールを確保しておかなければなりません。商品数が多ければ多いほど作業は膨大になるため、導入時の事務的な負担も大きくなります。
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5アパレル業界におけるSKUの付け方のポイント
SKUを導入する際、どのようにSKUを付けて管理をすれば良いか迷ってしまうことがありますが、ポイントとなるのは、以下の2点になります。
- 文字や番号の法則を決めておく
- 管理項目を明確にする
文字や番号の法則を決めておく
ブラックであれば「BK」ホワイトなら「WH」など、社内で一定の法則を決めておくことでSKUの付け方に迷う時間を減らすことができます。アパレル商品の場合、定番商品のラインナップは変わらないことも多く、新商品でもある程度の法則があるケースが多く見られます。
社内で法則をあらかじめ決めておくことによって時間が短縮され、さらに、誰もが文字と記号だけで商品を判別できるようになると、在庫管理の効率化につながります。
管理項目を明確にする
サイズ・色・アイテム別など、仕訳け項目をあらかじめ明確に決めておくことも有効です。
管理項目 | 判別内容 |
---|---|
サイズ | S,M,L,LL など |
色 | BK(黒),WH(白),RD(赤) など |
アイテム | 01(パンツ),02(スカート) など |
例えば「Sサイズの黒いスカート」の場合「S_BK_02」というSKUを使用することになります(文字や記号の順番、表記方法は企業によって異なります)。必要最低限な情報をスマートに管理するためには、分かりやすいSKUが付けられるかどうかがポイントです。
6SKUの導入方法
SKUを導入する際の手段として、基本的に以下の2つがあげられます。
- 自社で管理体制を整える
- 一元管理してくれる企業にアウトソーシングする
自社で管理体制を整える
自社にリソースがある場合は、独自の在庫管理システムを構築することによってSKUを導入します。インハウスで行うと自由度が高くなるため、運用に合わせて使いやすいシステムにできる点がメリットです。
ただし、システムの開発・構築には多くの人件費と時間がかかるため、スピーディーに体制を整えることは難しいかもしれません。
一元管理してくれる企業にアウトソーシングする
自社にこだわらない場合、SKUの導入から運用までまとめてアウトソーシングすることで大幅な業務効率化を実現できます。SKUの導入支援を行っている企業のなかでも、アパレル業界ではSKUの導入から在庫管理はもちろん、梱包や発送業務まで対応可能な物流代行会社へアウトソーシングする流れが主流とされています。
在庫管理と物流は切り離せない業務のため、一元管理できる物流代行会社へアウトソーシングすることによって、事業全体が把握しやすくなるでしょう。
7まとめ:アパレルの在庫管理にはSKUの活用を
商品数が多いアパレル業界において、SKUでの在庫管理は必要不可欠です。SKUの導入にはコストと時間が必要ですが、管理体制を整えて業務効率化をすることによって、最終的には収益アップにつながります。
当社はアパレル業界においてSKUのよる在庫管理だけでなく、アパレル特有の検品から流通加工、梱包や出荷まで、アパレル物流の全てにワンストップで対応いたします。アパレル物流に関して課題がありましたら、まずはご相談ください。
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