ネステナーとは、倉庫や工場などで商品を保管する際に使用されるスチールラックの一種のことです。ネステナー同士は複数積み上げることが可能なため、ネステナーを使って商品を保管することで保管効率が向上し、商品の在庫が管理しやすくなります。
本記事では、ネステナーの概要や種類を紹介した上で、ネステナーのメリット・デメリットやサイズ、耐荷重などを紹介します。倉庫管理の担当者の方はぜひご覧ください。
目次
誤出荷と棚卸差異を減らす、
具体的な方法6選!
1ネステナーとは
ネステナーとは、倉庫や工場などで商品の保管に使われるスチール製のラックのことで、製造メーカーによって、以下のように呼ばれる場合もあります。
- ネスティングラック
- ネスラック
- スタックテナー
- テナー
ネステナーはフォークリフトやパレットと組み合わせて使用することで、効率的に移動・保管・収納できます。商品の保管効率の向上を考えている場合には、導入を検討いただきたいアイテムです。
2ネステナーの種類
ネステナーは以下の3種類に分けられます。
- 正ネステナー
- 逆ネステナー
- 特殊なタイプのネステナー
正ネステナー
正ネステナーとは、パレットや商品を載せる面がラックの下面にあるタイプのネステナーです。
パレットと同じように下面にフォークリフトの差込口があるため、商品を載せた状態で積み上げや移動ができ、ネステナーで保管したままトラックに載せて配送することも可能です。
正ネステナーは商品を載せたまま容易に移動ができるため、レイアウト変更が頻繁な倉庫や商品を床に置きたくない倉庫で使用する際に適しています。
ただし、天井高とネステナーのサイズによっては、パレットが1段しか保管できないことがあるため、注意が必要です。
逆ネステナー
逆ネステナーとは、パレットや商品を載せる面がラックの上面にあるタイプのネステナーです。
載せる面が上にあるため、1台の逆ネステナーで2段分のパレットを置くスペースを作ることができます。
逆ネステナーは少ない台数で多くの保管スペースを作ることができるため、正ネステナーよりもコストを抑えられます。
ただし、下面には商品を置く面がないため、パレットは床に直接置くことになってしまいます。また、移動させる際にはネステナーとパレットを別で移動させる必要があるため、正ネステナーよりも移動の作業に時間がかかる点に注意が必要です。
特殊なタイプのネステナー
商品の保管スペースの状況や扱う商品が頻繁に変わる場合は、使い勝手の良い特殊タイプのネステナーやオプションの活用もおすすめです。
特殊なタイプのネステナーには、以下のような複数の種類があります。
特殊タイプの種類 | 概要 |
---|---|
正逆両用ネステナー | 上下をどのように置いても利用できるタイプのネステナー 商品を載せる面を下面にすれば正ネステナー、上面にすれば逆ネステナーとして利用可能 |
ステージ付き正ネステナー | 正ネステナー上部の左右のフレームにステージがついているネステナー 逆ネステナーと同じく1台で2段の商品を保管可能 |
正ネステナーや逆ネステナーを保有しているものの、使い勝手を良くしたいと考えている場合は、以下のようなオプション品を導入しましょう。
オプション品 | 概要 |
---|---|
パレトップ | 正ネステナーの上部に設置し1段増やす |
連結パレット | 2台の逆ネステナーを連結して保管量を増やす |
中間棚 | ネステナーの中間部分に1段増やす |
誤出荷と棚卸差異を減らす、
具体的な方法6選!
3ネステナーのメリット
ネステナーを導入するメリットには、以下の3点があります。
- 保管効率が向上する
- 自由にレイアウトを変えられる
- 場所を取らずに収納できる
保管効率が向上する
ネステナーを導入すると商品の保管効率が向上し、スペースを有効活用することができます。
倉庫の高さやネステナーのサイズによっては、3段・4段に積み上げて商品を保管することが可能です。
平置きする場合と比べ、保管効率が向上するため、商品の保管スペースが足りないと悩んでいる場合には導入がおすすめです。
自由にレイアウトを変えられる
正ネステナーを導入すると、パレットを載せたままの状態でネステナーを移動できるため、自由にレイアウトの変更ができます。
ネステナーは、倉庫や工場でよく使われるパレットラックと異なり、アンカー固定などの施行が不要であるため、レイアウト変更に余計な手間がかかりません。
商品の保管効率が向上するだけでなく、在庫状況で保管の配置を変更することもできるため、導入後も柔軟な対応が可能となります。
場所を取らずに収納できる
ネステナーは、未使用時に入れ子状態で収納でき、場所を取らずに収納ができます。
ネステナーのサイズや高さにもよりますが、5~8台程度をまとめて重ねられるため、保管する商品が少ない時期にはネステナーを置いていたスペースを別の目的で使うことが可能です。
時期によって保管する商品の増減がある場合は、不要な時期に場所を取らずに収納できるネステナーの導入がおすすめです。
4ネステナーのデメリット
ネステナーを導入するデメリットには、以下の3点があります。
- 自由に高さを調節できない
- 耐震対策が必要になる
- 商品サイズによっては保管できない
自由に高さを調節できない
ネステナーは高さが調節できないため、保管する商品のサイズによっては高さが足りなくなる可能性があります。
また、倉庫の高さによっては、ネステナーを積み上げることができず、導入しても保管効率が上がらないこともあるため注意しましょう。
耐震対策が必要になる
ネステナーは、地面に固定せずに使えるため移動が簡単ですが、大きな地震があった際には崩れ落ちてしまう可能性があります。耐震性に優れたタイプのネステナー導入も1つの方法ですが、以下のような対策も必要です。
- 積載物の重量バランスを考慮
積み上げたネステナーのバランスが崩れ、転倒の危険があるため、上段部分には重量物を載せない。 - 隣り合うネステナーを連結
オプション品であるネスバンド(ネスベルト)・ネステナー連結金具などを使用し、ネステナーを連結させる。
また、地震が起きなくても、フォークリフトでぶつかるなどの強い衝撃が与えられるとネステナーが崩れる恐れがあります。
ネステナーは高く積み上げながら使うことにメリットがあるからこそ、倒壊や落下が起きないように耐震対策に加えて安全対策が必要です。
商品サイズによっては保管できない
ネステナーは、規定のサイズより大きい商品を保管することはできません。
基本的に、ネステナーは規定サイズのラックを積み上げて使用する製品であり、商品のサイズに合わせてオーダーメイドで作る製品ではありません。
ネステナーは複数種類のサイズが販売されていますが、幅と奥行きに大きな差はなくパレット1枚分より、ひと回り大きいサイズになっている製品がほとんどです。
正ネステナーと逆ネステナーの高さは、以下のようなサイズが展開されています。
正ネステナーと逆ネステナー共に、複数種類の高さで販売されているため、保管する商品にあわせて選択が必要です。
ネステナーの種類 | 高さ |
---|---|
正ネステナー | 1,200mm、1,500mm、1,700mm |
逆ネステナー | 1,270mm、1,400mm、1,570mm、1,770mm |
誤出荷と棚卸差異を減らす、
具体的な方法6選!
5ネステナーを選ぶ際のポイント
ネステナーはさまざまな種類が販売されており、以下を比較することがポイントです。
- サイズ
- 耐荷重
- 最大積み上げ段数
- 積み上げ方式
サイズ
ネステナーを選択する際には、商品が保管できるサイズのネステナーを選びましょう。
安全に商品を保管するためには、パレットとネステナーの間に一定の距離を確保できるサイズの製品がおすすめです。
パレットの左右で75mmずつ、奥行きで50mm、高さは100mmの距離を確保するのが一般的です。サイズが合っていないネステナーを導入すると保管効率が下がり、無駄なスペースが生まれてしまいます。
さらに、パレットとネステナーに隙間がありすぎる場合、ネステナーごと移動させる際に荷崩れを起こすなどの危険があります。商品サイズとパレットサイズから、ネステナーのサイズを算出して適切なネステナーを導入しましょう。
耐荷重
ネステナーにはそれぞれ耐荷重が決まっているため、保管する商品の重さに合わせてネステナーを選びましょう。
一般的なネステナーの耐荷重は1,000kgですが、2mを超えるような高さがあるネステナーや、幅が広いネステナーは500~700kg程度に耐荷重が小さくなります。
ネステナーを積み上げた場合でも、1段あたりの耐荷重は1,000kg、3段積み上げると耐荷重は合計で3,000kgというように、積み上げた分だけ耐荷重は大きくなります。
1段のネステナーに保管する商品の量や合計の重量から必要な耐荷重を算出し、適切なネステナーを導入しましょう。
最大積み上げ段数
ネステナーは、種類によって最大積み上げ段数が決まっているため、最大積み上げ段数からネステナーを選びましょう。
ネステナーの高さごとの最大積み上げ段数目安は以下の通りです。
ネステナーの高さ | 最大積み上げ段数目安 |
---|---|
1m前後 | 4段積み |
1~2m程度 | 3段積み |
2m以上 | 2段積み |
このように、高さによって最大積み上げ段数が異なるため、保管する商品や倉庫の高さからネステナーを選ぶことをおすすめします。最大積み上げ段数を超えて積むと、倒壊や荷崩れの恐れがあるため、必ず決められた最大積み上げ段数を守って利用しましょう。
積み上げ方式
ネステナーを積み上げる際には、大きく3つの方式があるため、利用しやすい積み上げ方式を選びましょう。
ネステナーの積み上げ方式の名前や特徴は以下の通りです。
積み上げ方式 | 概要 |
---|---|
上ピンタイプ | ネステナー上部の角に2cm程度のピンが飛び出しているタイプ 凹凸を合わせて積み上げる |
下ピンタイプ | ネステナー下部の角に下向きのピンが付いているタイプ 凹凸を合わせて積み上げる |
レールタイプ | ネステナーの上部と下部にレールが付いているタイプ レールを噛ませて積み上げる |
このように、積み上げ方式は3種類あり、それぞれ積み上げ方が異なります。
異なる積み上げ方式のネステナーを購入してしまうと、安全に積み上げられないため購入前に積み上げ方式の確認は必須です。
3種類ありますが、正ネステナーの多くで採用されているレールタイプがもっとも安定性が高いため、積み上げ方式の選択に迷っている場合は、レールタイプがおすすめです。
6まとめ:ネステナーを活用し効率よく保管しよう
ネステナーとは、商品を保管する際に使用するスチール製のラックのことであり、主に倉庫や工場で使われることが分かりました。
ネステナーは積み上げて利用できるためスペースを有効活用でき、保管効率の向上が期待できるため、倉庫スペースの有効活用や在庫管理の効率化を考えている場合は、ネステナーの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
誤出荷と棚卸差異を減らす、
具体的な方法6選!
サービスはこちら