物流倉庫における保管業務では、商品の品質管理と数量管理がポイントになります。
取り扱う商品の種類が増えると「保管場所が確保できない」「適切な保管方法がわからない」と課題を感じ始める物流担当者の方も多いでしょう。
本記事では、物流倉庫でのロケーション管理方法や現状の課題、効率的に保管業務を行うポイントを解説します。自社商品の保管方法を改善したいとお考えなら、ぜひ本記事をご覧ください。
目次
利益率だけでなく、売上まで上げる
在庫管理ノウハウ5選!
※そのまま使える在庫管理表テンプレート付き
1物流における保管業務とは
物流における保管業務とは、商品が発送されるまでの間、倉庫や物流センターなどで品質・数量を適切に管理することです。
これにより出荷業務をスムーズに行うことができるため、業務効率化・人件費削減につながります。
適切な保管業務は、以下のような問題・リスクの発生を未然に防止できます。
- 商品を探す手間がかかり、ピッキング作業に時間を要する
- 新旧在庫が混在し先入れ先出しができないため、一定の品質が維持できない
2保管におけるロケーション管理の方法
保管業務におけるロケーションとは、倉庫内で在庫を保管する場所(住所)のことです。
ロケーション管理を適切に行うことで、在庫を探す手間が省けるため、ピッキング作業なども効率化できます。
ロケーション管理の方法には次の3種類があり、違いについて詳しく解説します。
- 固定ロケーション
- フリーロケーション
- ダブルトランザクション
固定ロケーション
固定ロケーションとは、商品の種類ごとに保管場所を定めてロケーション管理する方法です。
商品の場所を覚えやすく、ピッキング時に迷わず商品の場所を特定できる点がメリットです。また、欠品商品の保管場所が空くので、在庫状況を視覚的に確認することもできます。
定番商品がある場合や商品の種類が少ない場合は固定ロケーションが向いていますが、種類ごとに保管スペースが必要となるため、商品の種類が多い場合は無駄が生じるデメリットがあります。
フリーロケーション
フリーロケーションとは、空いているロケーションにランダムに商品を保管する方法です。
空きスペースを有効に活用できるため、SKU数が非常に多い場合や、商品の入れ替わりが激しい場合に向いています。
しかし、納品日の違いなどによって同じ種類の商品が違う場所に保管されることもあるため、状況に応じて固定ロケーションで対応する場合もあります。
ダブルトランザクション
ダブルトランザクションとは、固定ロケーションとフリーロケーションを組み合わせた保管方法です。
まず、物流倉庫内をストックエリアとピッキングエリアに分け、ストックエリアでは保管効率の高いフリーロケーションで管理し、ピッキングエリアでは保管場所がわかりやすい固定ロケーションで管理するケースが多く見られます(※明確な決まりはなく、ストックエリアを固定ロケーションで管理するケースもあります)。
こうすることで、保管スペースを有効活用できるうえ、ピッキング作業の効率化が可能です。また、エリアを分けることで、ピッキング時の移動時間を減らせるメリットもあります。
利益率だけでなく、売上まで上げる
在庫管理ノウハウ5選!
※そのまま使える在庫管理表テンプレート付き
3物流倉庫で保管する際の課題
物流倉庫で商品を保管する際には、以下のような課題があります。
- 商品の種類が増えると管理が煩雑になる
- ヒューマンエラーによって誤出荷が起こる
- 帳簿上の在庫数と実態が合わない
商品の種類が増えると管理が煩雑になる
商品保管時には商品名だけでなく、「品番」「ロット情報」「賞味期限」など複数の項目を管理する場合が多く、商品の種類が1つ増えるだけでも管理が煩雑になります。
作業スタッフが商品の状態(保管中・出荷準備中・出荷済み)を手作業で更新している場合は、正しい在庫状況がすぐに確認できない点も課題となるでしょう。
また、商品が増えて保管面積が広くなった物流倉庫で、出荷頻度が高い商品が奥に保管されてしまうと、作業効率が下がってしまいます。
ヒューマンエラーによって誤出荷が起こる
倉庫内には多くの種類の商品が保管されているため、ピッキング時には商品や数量を間違えるヒューマンエラーが発生し、誤出荷が起こる可能性があります。特にデータ管理や出荷作業をすべて人手で行っている場合は注意が必要です。
このような誤出荷を減らすには、商品保管のロケーション管理を適切に行うといった工夫が必要となります。
帳簿上の在庫数と実態が合わない
作業スタッフがExcelで在庫数量を管理している場合、「入力間違い」や「出荷後のステータス更新漏れ」などのミスによって、帳簿上の在庫数と実態が合わなくなるケースがあります。
この整合性を取るためにも手間や時間がかかってしまいます。
4効率的に保管業務を行うポイント
物流倉庫において、効率的に保管業務を行うためのポイントを解説します。
- 物流倉庫内の保管場所を見直す
- ロケーション管理の方法を見直す
- WMS(倉庫管理システム)を活用する
物流倉庫内の保管場所を見直す
倉庫内での業務を効率的に行うためには、商品の保管場所から出荷作業を行う場所までの動線が重要です。
例えば出荷頻度が高い商品は、取り出しやすい場所にあることで、ピッキング時の移動距離を短くすることが可能です。
自社の倉庫において、売れ筋商品の保管場所がわかりにくい・作業場から遠い場合は、保管場所を見直してみましょう
ロケーション管理の方法を見直す
倉庫スペースを有効に使いながら保管業務を行うために、ロケーション管理の方法を見直すことも重要です。
商品の種類が少ない場合は固定ロケーションでの管理がおすすめですが、商品の種類が多い場合にはフリーロケーションでの管理が向いています。もし現在、フリーロケーションを導入していてピッキングに時間がかかっているのであれば、ダブルトランザクション(ピッキングエリアのみで固定ロケーション管理)を活用する方法もあります。
商品のSKU数に合わせて、適切なロケーション管理方法を導入しましょう。
WMS(倉庫管理システム)を活用する
商品のデータ管理を効率的に行うために、倉庫管理システム(Warehouse Management System)の活用も検討しましょう。倉庫管理システムとは、倉庫への貨物、資材、商品の入出庫データや在庫データを管理できるシステムで、これまで人手で行っていたデータ管理を自動化することができます。
倉庫管理システムに入力するデータも、バーコードリーダーやスキャナなどの端末を利用することで人的ミスを削減し、効率的にデータを管理することが可能です。
5まとめ:テクノロジー活用で物流の保管業務を効率化しよう
物流の保管業務においては、商品の種類が増えるごとに倉庫管理が煩雑になったり、誤出荷が発生する課題があります。保管業務を効率化するには、保管場所・ロケーション管理方法を見直すことやWMS(倉庫管理システム)の導入を検討することがポイントです。
スクロール360は物流代行サービスの専門家として、物流に関する業務効率化をサポートします。商品保管にお悩みの場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
利益率だけでなく、売上まで上げる
在庫管理ノウハウ5選!
※そのまま使える在庫管理表テンプレート付き
サービスはこちら