物流倉庫における自動仕分けシステムとは、商品ごとの仕分けや発送先の分類などを機械で行う仕組みのことです。大量の商品や荷物を手作業で仕分けするには限界があるため、システムや機械を利用して作業の効率化を図ります。
本記事では自動仕分けシステムの種類や、導入のメリット・デメリットを解説します。
目次
誤出荷と棚卸差異を減らす、
具体的な方法6選!
1物流現場の自動仕分けシステムとは
自動仕分けシステムとは、あらかじめ設定しておいたルールに従って、商品や荷物を仕分けするシステムのことです。具体的には、ピッキングした商品や出荷準備が整った荷物を、届け先・サイズ・配送方面などに仕分けを行います。
仕分け作業には「手仕分け」もあり、手作業と自動仕分けシステム(機械)の両方を用いる場合もあります。全てを自動化できると効率的で人件費削減にも効果的ですが、目視での最終チェックが必要なケースが多くあるのが現状です。
仕分けに時間がかかってしまうと配送会社に荷物を引き渡すタイミングが遅くなってしまい、最終的には届け先に到着するタイミングが遅れてしまう可能性もあります。これらを回避するためにも、適切なシステム(機械)を導入した物流現場の業務効率化は重要な課題といえるでしょう。
2自動仕分けシステムの種類(商品の仕分け)
自動仕分けシステムに用いられる、代表的な3つのシステムを紹介します。
- GAS(ゲートアソートシステム)
- SAS(シャッターアソートシステム)
- DAS(デジタルアソートシステム)
GAS(ゲートアソートシステム)
GAS(ゲートアソートシステム)とは、ピッキングで集めた商品の仕分け(アソート)作業を効率化できるマテハン機器で、トータルピッキング(種まき方式)を補助するシステムです。
バーコードを読み込むと、その商品の仕分け先であるゲートが自動で開くため、配送先を間違えずに仕分けできることが特徴です。GASを利用することによって、トータルピッキングした商品をミスなく効率的に仕分けることができます。
SAS(シャッターアソートシステム)
SAS(シャッターアソートシステム)とは、シャッター付き表示器の付いた仕分けボックスを利用した仕分けシステムのことです。各シャッターに設置されたデジタル表示器に投入数量を表示させ、該当する商品を投入する仕組みで、GASとの大きな違いは機能面です。
投入するゲートが1つしか開かないGASに対して、SASは1度に複数のシャッターが開くため、作業を同時に進めることができます。また、ボックスが開く速度や遮断時間など、作業内容にあわせて自由に設定できる点も特徴です。
DAS(デジタルアソートシステム)
DAS(デジタルアソートシステム)とは、トータルピッキング(種まき方式)を補助するシステムで、商品をシステムに認識させると、仕分け先単位に設置したデジタル表示器が投入するべき商品数を指示する仕組みです。
DASを利用することで、仕分け作業時に商品と数量がわかりやすく表示されるため、ピッキングミスを軽減させることが可能です。掲示板に指示された数量をその場で確認すれば良いため、紙の仕分けリストが不要になります。
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3自動仕分けシステムの種類(荷物の仕分け)
自動仕分けシステムの利用シーンは、主に以下の2つに分けられます。配送先の仕分けは、梱包後の荷物を配送会社へ引き渡すのために、届け先県別や方面別に仕分けを行います。
- 商品の仕分け
- 配送先の仕分け
ソーター
主に配送先の仕分けに使用する「ソーター」は、ベルトコンベアから流れてきた荷物を自動的に仕分けできる機械で、搬送機も備えているため荷物の仕分けと運搬の機能を兼ね備えたものになっています。ソーターによる仕分け方法には、以下のような種類があります。
- スライドシュー式
- パン式
- クロスベルト式
- ポップアップ式
一例として、スライドソーターを利用した場合、1時間に4,000個もの商品の仕分けをすることができます(※機種によって正確な個数は異なります)。短時間に大量の仕分けを正確に行えるため、業務効率化には欠かせない機械といえるでしょう。
4物流現場に自動仕分けシステムを導入するメリット
物流現場に自動仕分けシステムを導入するメリットは、主に以下の3点です。
- 仕分け業務を効率化できる
- 作業ミスを削減できる
- 人員を削減できる
仕分け業務を効率化できる
自動仕分けができる機械を取り入れることで、手作業だけの場合と比べて、大幅な業務効率化が実現できます。仕分けリストを見ながら目視で確認する工程をなくし、デジタル表示に従って商品を分類すれば良いため、初心者でも簡単に作業を行うことができます。
商品の仕分け先をその都度探す手間がなくなるため、作業スピードが向上できる点もメリットです。また、ソーターを利用することで、荷物の持ち運びや倉庫内の移動が減り、スタッフの身体的負担も軽減されます。
作業ミスを削減できる
仕分けをシステム化することで、作業ミスを軽減することができます。
仕分け間違いがあった場合はその場でエラー表示が出るため、瞬時にやり直しができるためです。自動仕分けシステムと手作業のダブルチェックを徹底すれば、出荷前の段階でミスを回避できるようになるでしょう。
人員を削減できる
自動仕分けシステムを導入することで、手作業でチェックする人員を減らすことが可能です。
全工程を機械化することは難しいため、ある程度の人員は必要になりますが、手作業だけの場合と比べて人件費の削減が期待できます。手のあいた人員を別の業務に回すことも可能になるため、新たなサービスの検討をすることもできるでしょう。
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5物流現場に自動仕分けシステムを導入するデメリット
物流現場に自動仕分けシステムを導入するデメリットは、主に以下の2点です。
- 導入コストがかかる
- システムトラブル時の対策が必要
導入コストがかかる
自動仕分けシステムは高い効果が期待できますが、導入時にはコストがかかることを把握しておかなければなりません。とくにソーターは大きな機械のため、導入費も多く見積もっておく必要があります。トータルで見たときの費用対効果をよく検討する必要があるでしょう。
システムトラブル時の対策が必要
停電や災害時の対応を考えておく必要があります。また、ネットワークに接続している場合は、通信トラブルが発生すると仕分けができなくなることも想定しておきましょう。これらの緊急時に備えてあらかじめ対応マニュアルを作成し、社内で情報共有しておくことが必要です。
6まとめ:自動仕分けシステムで物流業務の効率化へ
物流の業務効率化を考えるうえで、業務量が増えるほど自動仕分けシステムの導入は避けて通れない施策といえます。手仕分けで作業を行った場合に比べて、スタッフの負担が大幅に軽減され、出荷ミスの削減にもつながるでしょう。
自社に自動仕分けシステムを導入することが難しい場合は、物流自体をアウトソーシングすることも1つの手段です。当社の物流センターは、何千・何万もの商品を早く確実にお届けするための自動化・システム化を実現しています。
物流のアウトソーシングをご検討の際には、お気軽にご相談ください。
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