4温度帯とは、常温・定温・冷蔵・冷凍の4つの温度帯に分けて、商品の保管や配送を行う温度管理方法です。商品に適した温度や湿度で管理を行うことで、品質や鮮度を保持した状態で消費者まで届けることができます。
本記事では、3温度帯や5温度帯との違い、4温度帯のメリットや注意点、温度管理をする倉庫の特徴を紹介します。
目次
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14温度帯とは
4温度帯は、細かな温度管理が必要な食品の保管や配送を中心に用いられる管理方法で、一般的には定温・常温・冷蔵・冷凍の4つの保管温度を指します。
具体的には以下のような温度帯で区別されています。
温度帯 | 管理温度 |
---|---|
定温 | 10~20℃(温度や湿度が一定) |
常温 | 10~15℃(または20℃) |
冷蔵 | -5~5℃ |
冷凍 | -15℃以下 |
肉や魚などの生鮮食品やアイスクリーム、ワインなどは、保管や配送時に適した温度や湿度が大きく異なるため、細かく分かれている4温度帯を用いて管理します。
3温度帯との違い
3温度帯とは、保管温度が常温・冷蔵・冷凍の3つに分かれており、「定温」が含まれていません。この「定温」という区分があるか否かが4温度帯と3温度帯の違いです。
この定温とは、10℃〜20℃の温度帯で湿度も一定に保たれている状態のことです。冷蔵ほど冷やす必要がないものの、温度や湿度で一定に管理されている必要があるデリケートな商品の保管に適しています。ただし、取り扱い商品や配送業者によって、定温の設定範囲が異なる場合があるため、注意が必要です。
5温度帯との違い
5温度帯では、定温・常温・冷蔵・冷凍・超低温の5つの温度帯で商品の保管や配送を行います。4温度帯と5温度帯の違いは「超低温」を区別して分けているか否かです。
超低温は、-50℃以下で保管する温度帯であり、冷凍マグロを始めとした超低温でなければ品質を保つことが難しい商品の管理に用います。
24温度帯の種類
4温度帯は上述の4つに分かれており、さらに詳細に倉庫業法「冷蔵倉庫基準保管温度」で定められた、以下の等級が設定されています。
等級 | 管理温度 |
---|---|
C3級 | 10℃~-2℃ |
C2級 | -2℃~-10℃ |
C1級 | -10℃~-20℃ |
F1級 | -20℃~-30℃ |
F2級 | -30℃~-40℃ |
F3級 | -40℃~-50℃ |
F4級 | -50℃以下 |
常温
常温は温度管理の必要はないものの、一般的には10℃〜20℃で保管される温度帯です。
保管や配送時の温度は外気温の影響を大きく受けるため、温度や湿度の変化が品質管理に影響しない商品の保管に適しています。
<常温保管に適した商品例>
- 飲料
- 食用油
- 非常食
- 日用雑貨
定温
定温は冷やした状態で管理する必要がないものの、温度変化や暑さに弱く、温度や湿度を一定に保たないと品質が低下してしまう商品が対象であり、10℃〜20℃で保管される温度帯です。
この定温により、収穫した野菜や果物の長期保管が可能となり、旬の時期に出荷できるため、生鮮食品の販路拡大に貢献できるようになりました。
<定温保管に適した商品例>
- ワイン
- チョコレート
- 日本酒
- 生鮮野菜
冷蔵
冷蔵は冷凍する必要がないものの、常温では保管が難しい商品を対象とし、一般家庭にある冷蔵庫と同等の温度帯である10℃以下で保管される温度帯です。
<冷蔵保管に適した商品例>
- 乳製品
- 精肉
- 漬物
- 生鮮食品
冷凍
冷凍は常温や冷蔵では品質が低下してしまう商品が対象であり、-15℃以下で保管される温度帯です。冷凍マグロを始め、-50℃以下でないと品質を保つことが難しい食品も4温度帯では冷凍に分類されます。
<冷凍保管に適した商品例>
- 冷凍食品
- アイスクリーム
34温度帯それぞれの倉庫の種類
4温度帯の管理をする倉庫は、以下の4種類に分けられます。
- 常温倉庫
- 定温倉庫
- 冷蔵倉庫
- 冷凍倉庫
常温倉庫
常温倉庫とは、10℃〜20℃が目安であるものの、温度や湿度の調整を行わない倉庫です。
倉庫の立地や四季の温度・湿度変化の影響を受けるため、一年を通して倉庫内温度が変動し5℃〜30℃程度と幅があります。
時期によって倉庫内の湿度も高くなるため、温度や湿度の変化に影響を受けない商品の保管に適しています。常温倉庫に適している具体的な商品は、以下の通りです。
- 缶詰
- 缶ジュース
- 非常食
- 保存食
食品以外では、紙製品や鉄製品、建築資材や機械部品など、屋外の気温や湿度変化の影響を受けない商品も常温倉庫で保管します。
定温倉庫
定温倉庫とは、倉庫内の温度を10℃〜20℃に管理し、湿度を一定した状態で商品を保管する倉庫です。温度や湿度の変化によって品質が低下してしまう商品の保管に向いています。
定温倉庫に適している具体的な商品は、以下の通りです。
- 生鮮野菜
- 生鮮果実
- ワイン
- 日本酒
食品以外では、医療品や化粧品など温度や湿度の変化によって、作用が変わる可能性がある商品も定温倉庫で保管します。
冷蔵倉庫
冷蔵倉庫とは、倉庫内温度を10℃以下に管理して商品を保管する倉庫です。
「冷蔵倉庫基準保管温度」の「C1級(チルド)」に該当し、10℃~-20℃の間で温度を管理しています。さらにこの中には、5℃以下や10℃以下と細かく保管温度が決められている商品(主に食品)もあるため、商品ごとの推奨温度を確認して適切に管理しましょう。
冷蔵倉庫に適している具体的な食品は、以下の通りです。
- ヨーグルトなどの乳製品
- 精肉・鮮魚
冷凍倉庫
冷凍倉庫は、冷蔵倉庫のうち倉庫内温度を-20℃以下で管理している倉庫です。
冷凍倉庫の中でも超冷凍倉庫と呼ばれる-50℃以下の倉庫もあり、マグロを始め、超低温でなければ品質を保つことが難しい食品が管理されています。また、国内配送が行われる前の海外からの輸入品も、1度冷凍倉庫に保管されます。
冷凍倉庫に適している具体的な食品は、以下の通りです。
- 肉・魚
- 冷凍食品
- アイスクリーム
近年、冷凍で配送後、解凍を行い冷蔵として販売をする「フローズンチルド」や冷凍弁当の需要が増えていることで、冷凍倉庫の需要は高まっています。
44温度帯管理ができるメリット
4温度帯管理をするメリットには、以下の2点があります。
- 商品の品質・鮮度が保持できる
- 廃棄ロスを削減できる
商品の品質・鮮度が保持できる
4温度帯を用いて、商品ごとに適した温度・湿度で保管することにより、品質や鮮度を保持できます。そのため、鮮度が落ちやすい生鮮食品や、湿気に弱い精密機械でも長期間の保存が可能です。さらに配送時にも品質や鮮度が保持できるため、長距離配送が可能となり、販路拡大も期待できます。
廃棄ロスを削減できる
4温度帯を用いると、品質や鮮度を保持したまま長期保存が容易になり、廃棄ロスを削減することも可能です。
たとえば、定温倉庫では温度だけでなく湿度も管理されるため、味や風味を損なわないだけでなく、カビや害虫の発生を予防することもできます。冷蔵や冷凍倉庫では、急な注文キャンセルなどで商品の発送ができなかった際にも、廃棄せずにそのまま保存することができます。
54温度帯管理をする際の注意点
4温度帯管理を行う際には、以下の2点に注意が必要です。
- 作業員に負担がかかる
- 多額のコストがかかる
作業員に負担がかかる
定温倉庫や常温倉庫では10℃以上の環境で作業ができるものの、冷凍倉庫や冷蔵倉庫では10℃以下の寒い環境で商品の棚入れや出庫などの作業を行う必要があり、温度が低ければ低いほど、作業員に負担がかかります。
長時間低い温度で作業をしていると、倉庫外との温度差によって体調を崩してしまう可能性もあるため、作業員の体調管理も必要です。
多額のコストがかかる
4温度帯を導入して商品ごとに適切な温度や湿度を保つためには、それぞれの倉庫で設備費や維持費、人件費が発生し、多額の運営コストが必要です。たとえば、温度や湿度を10〜20℃で一定に保つ定温倉庫では、以下のような設備が必要です。
- 冷風機
- 温度を保つための専用カーテン
- 温度計
- 湿度計
- 温度・湿度の管理システム
取り扱う商品が増加したり、運営する倉庫が広くなるほど、必要な設備・人員が増え、コストが多額になっていきます。
6まとめ:4温度帯で商品に適した温度管理を
4温度帯とは、常温・定温・冷蔵・冷凍の4つの温度帯で商品の保管から配送まで行う管理方法のことです。食品を中心に使用され、商品に適切な温度帯で管理することにより、品質・鮮度の低下防止や長期保存を可能にし、廃棄ロス削減にも繋がります。
4温度帯を用いることで、温度や湿度変化に左右されず適切に管理できることがメリットですが、自社で運営するには通常倉庫よりもコストがかかることは認識しておきましょう。
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