長期間売れずに残っている在庫があると、管理の負担が増え、企業経営にさまざまな悪影響を及ぼします。不良在庫がある企業は、速やかに減らす工夫をしなくてはなりません。
本記事では、不良在庫がもたらす悪影響や減らす方法を解説します。併せて、不良在庫の処分方法や処分のメリットと注意点についても見ていきましょう。
目次
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1不良在庫とは
不良在庫とは、倉庫や工場にある在庫のうち、長期間売れずに残っていて将来的にも販売される見込みがないものです。
不良在庫になる商品としては、在庫管理のミスで過剰生産や過剰仕入れになったもの、流行遅れや型落ちのもの、賞味期限切れのものなどが挙げられます。
不良在庫がもたらす悪影響
不良在庫が多くあると、倉庫や企業内の保管場所でスペースを圧迫するほか、人件費や光熱費といった管理コストが増大するため、早急に対処しなければなりません。
また、保管期間が長引くことで品質が低下して商品価値が下がる上に、商品によっては腐敗や色落ちによって品質に問題のない周囲の商品まで変質させることもあります。
2不良在庫を減らす方法
不良在庫の発生は、不適切な在庫管理に要因があるといえます。そのため、不良在庫を減らすためには、下記のような方法で適切な在庫管理を行うことが必要です。
適正在庫をキープする
適正在庫は、欠品の出る可能性を最小限に抑え、かつ過剰な在庫を抱えることもない在庫量のことです。適正在庫を維持できれば、常に過不足のない在庫量を保ち、過剰な生産や余分な発注による不良在庫の発生を防ぐことができます。
在庫回転率を高める
在庫回転率は、自社が抱える在庫が一定期間内にどれだけ入れ替わったかを示す数値です。
在庫回転率が高いほど、短期間で新しい在庫に入れ替わっているということであり、効率的な在庫管理ができているといえます。
ただし、季節によって売れ行きが変わる商品など、商品の性質によっては在庫回転率の向上が難しいものもあります。過去の在庫回転率や、同業他社が販売している類似商品の在庫回転率と比較し、問題なく在庫が入れ替わっているかどうかを見極めることが肝心です。
在庫管理システムを導入する
アナログの在庫管理では、発注ミスや不良在庫の見落としを完全に防ぐのは不可能です。
在庫管理システムを導入すると、データの収集・管理が自動化され、不良在庫の早期発見・早期対策につながります。
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3不良在庫の処分方法
不良在庫は、これまでの売れ行きも不調で、これからも売れる見込みのない商品です。
そのため、発見された不良在庫は、「廃棄」もしくは「値引き販売」のいずれかで処分されることになります。
廃棄してしまえば目の前の商品はなくなりますが、その商品にかかったコストの全額が損失になることが確定するため、経営上の観点からはできるだけ避けたいものです。まずは、商品を定価よりも値引きして売りきり、少しでもコストを回収しようとする努力が必要です。
値引き販売をしても売れない場合にのみ、廃棄を選択します。なお、廃棄処分した場合、税務当局に妥当性を認められないと経費計上することができません。合理的な廃棄理由と、業者が発行する「廃棄証明書」を用意しておくことが必要です。
4不良在庫処分のメリット
不良在庫の処分によって、先述したような悪影響を避けることができますが、ほかにも副次的な効果があります。
多くの企業にとって、下記の3点が不良在庫処分の有益なメリットとして挙げられます。
管理コストが削減できる
不良在庫には人件費や光熱費などの管理コストが常に発生しているため、処分によってそれらを削減することが可能です。不良在庫が占めていた保管スペースが空くため、ほかの新しい商品を仕入れることもできます。
金融機関からの融資が受けやすくなる
金融機関の融資審査では、在庫回転率がチェックされる場合があります。
在庫回転率が低いということは、いつまでも売れない在庫が保管され続けているということであり、経営に問題を抱えている可能性があるためです。不良在庫を処分して在庫回転率を上げると、融資審査に通過する可能性が高まります。
節税効果がある
不良在庫を含めた在庫は棚卸資産として計上するため、不良在庫が多いと税負担も増えてしまいます。値引き販売で棚卸資産を減らすか、廃棄をして「廃棄損」を計上することで節税が可能です。
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5不良在庫を処分する際の注意点
不良在庫を処分する方法として、値引き販売や廃棄があることは前述のとおりです。
しかし、何度も値引きセールを開催していると「定価で買う必要がない」と、企業の信用とブランド力の低下を招きかねません。
不良在庫を処分する際は、決算の時期に合わせて「決算セール」を開催するなど、ふさわしいタイミングを見極めましょう。
6まとめ:不良在庫を減らして経営を効率化しよう
不良在庫を抱えることは、企業の管理コストを増大させるだけでなく、ほかの在庫まで劣化させて価値を下げる可能性がある、重大な問題といえます。キャッシュフローを悪化させる前に、できるだけ早く対処しなければなりません。
根本的な改善には、管理者の負担を減らして適正在庫を維持できる在庫管理システムの導入が有効な手段となります。在庫管理の精度を上げるためにアナログな管理からの脱却を検討している場合は、スクロール360にお気軽にお問い合わせください。
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