ECサイト戦略とは、ECサイトにおいて売上を伸ばすための戦略です。EC通販事業で成果を出すためには、売上を伸ばすための戦略を立てる必要があります。現状を把握し競合分析をしたうえで、自社に適した施策を実施することが重要です。
本記事では、ECサイトにおける戦略の立て方について解説します。EC戦略を立てる前にしておくべき準備や具体的な施策、EC事業の成功事例について解説していますので、ぜひご参考ください。
目次
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1ECサイト戦略とは?
ECサイト戦略とは、ECサイトにおいて売上を伸ばすための戦略です。ECサイトにおいては、売上を以下の式で計算します。
訪問者数(ユーザー数) × 購入率(コンバージョン率) × 平均客単価 = 売上
訪問者数(ユーザー数) | ECサイトに訪れたユーザーの数 |
---|---|
購入率(コンバージョン率) | 訪問ユーザー数のうち、購入に至ったユーザー数の割合 |
平均客単価 | ユーザー1人の1回あたりの購入金額 |
売上を増やすためには、上記3つ全ての要素を伸ばすことが理想ですが、どれか1つでも改善できれば売上が増える可能性があります。
戦略を立てる前に、訪問者数(ユーザー数)、購入率(コンバージョン率)、平均客単価をそれぞれどのように伸ばすのか考える必要があります。全てを一度に上げることが難しければ、どれか1つに絞って改善策を考えることが重要です。
2ECサイト戦略立案前の準備
ECサイトの戦略を立案する前にする準備は、主に以下の4つです。
- 自社ECサイトの現状把握
- フレームワークを用いた自社の分析
- 競合サイトの分析
- ペルソナを設定
自社ECサイトの現状把握
Googleアナリティクスやアクセス解析ツールを用いて自社ECサイトのアクセス状況を把握し、売上状況を可視化しておくことが重要です。それぞれ可視化したうえで、課題を洗い出し改善策の方向性を考案します。
課題 | 改善策 |
---|---|
訪問者数(ユーザー数)が足りない | ECサイトへのアクセス数を伸ばす施策を取る |
購入率(コンバージョン率)が低い | 訪問ユーザーが購入に至るまでの動線を改善する |
平均客単価が低い | 1回あたりの購入金額を増やす施策を取る |
フレームワークを用いた自社の分析
ECサイトの戦略を考える際は、自社の立ち位置を把握することが必要なため、以下のフレームワークを用いて自社の分析をしてみましょう。
種類 | 詳細 |
---|---|
4P/4C分析 | 「Product、Price、Place、Promotion」の4つのPで自社視点を「Customer Value、Cost、Convenience、Communication」の4つのCで顧客の視点を洗い出し、より効果的な訴求方法について考えるフレームワーク |
SWOT分析 | 内部環境(自社の強み、自社の弱み)外部環境(機会、脅威)の4つの領域で情報を整理し、自社を環境のプラス面とマイナス面を洗い出すフレームワーク |
STP分析 | Segmentation(ユーザーのグループ)、Targeting(ターゲットとなる顧客)、Positioning(自社の立ち位置)の3つの観点を明確にし、自社のECサイトが狙うべきマーケットを絞り込むフレームワーク |
競合サイトの分析
競合のECサイトを分析することで差別化できるポイントを探ることができ、ECサイトの売上アップに繋げることが可能です。
【分析する観点】
- ターゲット層
- 商品のラインナップ
- 宣伝方法
- サイト内の動線
- 商品の見せ方
ペルソナを設定
ペルソナとは自社の顧客となる理想の人物像のことです。ペルソナを設定することでユーザーに寄り添った訴求力の高いアピールができるようになります。
ペルソナを設定する際は、主に以下の項目において顧客像を作り込みます。
- 年齢、性別
- 居住地
- 家族構成
- 職業、職種、配属、仕事内容、年収
- 趣味、生活習慣
- 平日、休日の過ごし方、1日の行動
- 所有デバイス
- 価値観
- 悩み
- よく閲覧するサイト
市場調査や消費者行動のリサーチ結果、自社ECサイトユーザーの購買履歴といった客観的なデータをもとに分析し、自社に適したペルソナを設定しましょう。
3ECサイト戦略の具体策
自社と競合のECサイトの現状把握や分析を行ったうえで、実践できる具体的な戦略は主に以下の5つが挙げられます。
- 複数ECモールの展開
- 実店舗と連携したオムニチャネルの展開減
- 越境ECで海外顧客の獲得
- アプリでの顧客の囲い込み
- SNSマーケティング
複数ECモールの展開
モール型ECへの出店をしていない場合は、Amazonや楽天市場といった大型ECモールへの出店も検討してみましょう。
複数のECモールに展開することは、顧客との接点が増えるだけでなく、リスクヘッジにも繋がります。自社ECサイトの売上が落ちても、ECモールの売上が順調であれば事業全体への影響が抑えられます。ただし、むやみに出店を増やすのではなく、ECモールそれぞれのターゲット層や機能、出店料などを比較して検討することが重要です。
実店舗と連携したオムニチャネルの展開
ECサイトと実店舗の両方を展開している場合は、オムニチャネルを展開して顧客満足度の向上を図ることも重要です。オムニチャネルとは、ECサイトと実店舗とを連携させ、顧客との接点を増やしたり購入の利便性を高める方法です。
オムニチャネルの例として、ECサイトで購入した商品を実店舗で受け取れる、欠品している商品をECサイトや他店舗から取り寄せられるなどがあります。チャネルごとで顧客を囲い込まず連携することで、機会損失の防止や顧客満足度の向上に繋がります。
また、各チャネルの連携により、実店舗やオンラインでの行動に関する顧客データを統合的に分析でき、顧客理解を深めることができるため戦略の強化に役立てることが可能です。
越境ECで海外顧客の獲得
越境ECであれば、海外に実店舗を展開するよりも低コストで事業を拡大できます。
越境ECを立ち上げる際は、展開先の国が運営する大型ECモールに出店したり、越境EC支援サービスを利用する方法があります。ただし、展開先の国が定める販売ルールや法律、規制について知っておくことが不可欠です。
アプリでの顧客の囲い込み
アプリはスマートフォンユーザーにとって利便性が高く、機会損失を防げるほか、新着情報をプッシュ通知することでアプリを開く機会を増やすことも可能です。
ただし、アプリ開発には資金やノウハウが必要です。ただ単にアプリを作るのではなく、ユーザーの購入体験を向上させる、ユーザーにとってメリットがあるアプリを開発することが重要となります。
SNSマーケティング
X(旧Twitter)やFacebook、InstagramといったSNSの自社アカウント上で商品の宣伝をすることで、自社ECサイトの知名度向上に繋がります。また、SNSで顧客とのコミュニケーションを行うことで、信頼感や安心感を獲得できる点もメリットです。
SNSでは広告を出稿できるので、SNS広告を運用して知名度向上を図る方法もあります。SNSマーケティングは売上に直結するわけではありませんが、SNS上では情報が拡散されやすく知名度向上に役立ちます。
4ECサイト戦略の成功事例
ECサイトの戦略で成功した事例について、以下の3つを紹介します。
- ヨドバシカメラ
- ユニクロ
- ニトリ
ヨドバシカメラ|購入体験の向上
ヨドバシカメラは、800万点以上の品揃えを誇るECサイト、ヨドバシ・ドット・コムを運営しています。
需要の高い生活必需品も充実しているほか、ヨドバシエクストリーム便では1点から送料無料、当日配達OK、注文から最短2時間半での配送などを実現し、購入体験の向上を図っています。また、自宅に限らずヨドバシカメラ、石井スポーツ、アートスポーツの実店舗で商品を受け取ることも可能です。
ヨドバシ・ドット・コムは、2021年におけるEC売上ランキングで1位のアマゾン・ジャパンに次いで2位にランクインしています。生活に必要なものが購入でき、すぐに届くという利便性で顧客満足度を高め、売上を伸ばした事例です。
ユニクロ|オムニチャネル展開の成功事例
ユニクロはECサイト上で購入した商品を実店舗で受け取れるほか、アプリで店頭商品のバーコードをスキャンし、オンライン在庫を確認することができます。
また、ユニクロ商品の着こなしを提案するStyleHintというアプリ・Webサイトもリリースし、ユーザーのファン化を進めています。
ニトリ|通販事業で前期比14.6%増を達成
ニトリは食器や家具、インテリア用品を取り扱っている小売業の大手チェーンです。コロナ禍で家具やインテリア商品の需要が高まったことが売上増の後押しとなりました。
また、ニトリではOne to Oneマーケティング施策にも力を入れました。One to Oneマーケティングとは、顧客の購買傾向にもとづいたニーズを読み取り、顧客1人1人に対して個別に適切なコミュニケーションを取る戦略です。
ニトリは施策として、公式アプリで雑誌やネット上の画像をアップロードして検索でき、類似商品を見つけられるという機能をリリースしました。また、アプリ会員限定のポイントサービス実施でアプリユーザー獲得に努めた結果、2020年2月期において、前期比14.6%を達成しています。
5まとめ:ポイントを押さえて効果的なECサイト戦略を立てよう
ECサイトの売上を増やすためには、自社の状況や競合について分析したうえで自社に適した戦略を立てる必要があります。
具体的な戦略には複数ECモールやオムニチャネル、越境ECの展開、アプリのリリース、SNSでのマーケティングなどがあります。他社の成功事例も参考にしながら、自社の方針や予算に合う戦略を立てるようにしましょう。
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